2000 Fiscal Year Annual Research Report
障害者スポーツのボランティア活動が障害者問題の意識の醸成・定着に及ぼす実証的研究
Project/Area Number |
10680050
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大堀 孝雄 東海大学, 体育学部, 教授 (00056003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新出 昌明 東海大学, 体育学部, 助教授 (70266360)
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Keywords | スペシャルオリンピックス / 知的障害者スポーツ / スポーツイベント / ボランティア活動 |
Research Abstract |
本研究は、スペシャルオリンピックス日本・第2回夏季ナショナルゲーム・神奈川大会に参加したボランティアは、ボランティア活動を経験したことを契機として、障害者問題に対する意識を醸成させ、さらに、日常生活において障害者問題が意識として定着する要因を探ることを目的とした。調査は、ボランティア活動前(1次調査)、ボランティア活動後(2次調査)、ボランティア活動の1年後(3次調査)の3回にわたり、同一対象者に障害者問題に対する意識を測定する調査を実施した。すでに、3回にわたる調査は昨年度中に完了しており、今年度は集計・分析作業を行い、調査の結果を導くことにあった。3次調査の集計・分析作業から、以下の結果を得ることができた。 1.障害者問題に関する「経験」(12項目)でボランティア活動後の1年の間に、「大変影響があった」に最も多く回答があった項目は「障害者の問題を人ごとではないと身近に感じたこと」の32.5%、次いで「障害者スポーツの記事や番組を見たこと」の23.8%であった。障害者問題に関する「知識」(16項目)で「大変影響があった」に最も多く回答があった項目は「知的障害者も競技スポーツに挑戦していること」の43.8%、次いで「知的障害者スポーツの全国・世界大会が開催されていること」の40.0%であった。 2.ナショナルゲームの参加後から現在までの約1年の間において障害者に関する「経験」に対して、ボランティア活動前に「かなりあった」人がボランティア活動後の「経験」に「大変影響があった」に回答し、「ある程度あった」人は「まあまあ影響があった」と回答する傾向が示された。一方、ボランティア活動前に「経験」が「まったくなかった」と「あまりなかった」に回答している人はボランティア活動後にも「まったく影響がなかった」と「あまり影響がなかった」と回答する傾向が示された。また、ボランティア活動前に「知識」として「知っていた」人はボランティア活動後の「知識」に「大変影響があった」と「まあまあ影響があった」と回答し、「経験」と同様の傾向が見られた。 3.障害者問題に対する関心への影響の総合的評価(8項目)は、「関心をもつようになった」と回答した人と「まあまあ関心をもつようになった」と回答した人を合わせると、8項目とも70〜80%であり、ナショナルゲームのボランティア活動の経験が障害者問題に対する意識の醸成・定着に影響を及ぼすことが示唆された。
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