1999 Fiscal Year Annual Research Report
戦後における女子体育教員養成機関に関する歴史的研究
Project/Area Number |
10680055
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Research Institution | Tokyo Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
掛水 通子 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (20096663)
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Keywords | 女子体育 / 体育教員養成機関 / 戦後 / 男女共学 / 制限的開放制教員養成 / ゼロ免課程 / 課程認定 / 生涯スポーツ |
Research Abstract |
戦後、大学の多くは男女共学となり、女子体育教員養成機関とは、体育教員養成機関のほぼ全校を意味することとなった。そこで、全体育教員養成機関の変遷の概要をまとめた。 国立大学教員養成学部では、小中の課程で高校の教員免許も取得できる制度であり、高校教員養成のための課程は当初、2大学のみで平成8年からは皆無となった。高校教員不足を補う臨時の施策として、特別教科教員養成課程保健体育科が昭和27年から昭和42まで全国9校に設置された。昭和63年からは免許取得を卒業要件としないゼロ免課程が特教保体に代わるものとして設置され始め、特教保体は順次廃止され、平成11年度は1大学に残すのみとなった。教員が過剰となり、社会全般の生涯体育指導者養成の必要性から起きたことである。ゼロ免でありながら、教員免許の課程認定を受けているという矛盾を呈しながら、教育学部は生涯教育の指導者養成へと変化し、学校における「保健体育」から生涯の「スポーツ」指導者養成へと変化してきた。 教員養成学部以外の体育を主として学ぶ国立大学の前身は、主として高師・女高師であった。そのほかに、国公立大学の中にも開放的養成により保健体育科免許状を取得できる大学も現れたが、すでに保健体育科教員養成をやめた大学もある。 新制大学発足時の体育系私立大学は1校のみで、体育を主専攻としない大学の課程認定校もあった。その後、体育系大学新設が続いた。平成2年を最後に新設は皆無で、健康、社会体育、福祉、生涯スポーツ指導者養成へ向けての学科増設や学部改組のみである。戦後、中学保健体育教師養成の任を担った短大の約半数が既に廃止した。 戦後、保健体育科教員養成機関は増加したが、教員の需給関係、社会の変化から、教員免許状の課程認定は受けながらの生涯スポーツ、健康等の指導者養成へと目的を拡大した。
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