1998 Fiscal Year Annual Research Report
咬合機能と動的運動機能間のダイナミック神経活動連関
Project/Area Number |
10680056
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
室 増男 東邦大学, 医学部, 教授 (80112887)
|
Keywords | 咬筋 / 咬合力 / 下腿三頭筋運動ニューロン / 持続性振動反射 |
Research Abstract |
本研究は静的咬合力保持と動的咬合力(ランプ収縮)の違いによって、下腿三頭筋(soleus、medial gastrocnemius、lateral gastrocnemius)α-MNsの静的筋出力と動的筋出力にどのような影響を与えるか検討し,咬筋のマルチ機能を運動単位(MUs)活動の解析から明らかにして、下腿三頭筋α-MNsの静的筋出力と動的筋出力のダイナミック運動ニューロン活動連関を検討した. 随意的最大足底屈と動的最大足底屈時のヒラメ筋と腓腹筋の運動ニューロンの興奮性をH反射によって求めた結果,ヒラメ筋と腓腹筋のH反射振幅は,弱噛み締めから最大随意的噛み締めまで比例して増加した。とくに最大随意的噛み締め時にはヒラメ筋の運動ニューロンに強い活動の増加が顕著に認められたが,腓腹筋で顕著な増加は認められなかった.そして特徴的なのは最大随意的噛み締め時に行った動的最大足底屈のヒラメ筋運動ニューロンの興奮性は抑制傾向にあった.そこで下顎に持続的振動刺激を与え持続性振動反射によって不随意的噛み締めを誘発させ,ヒラメ筋と腓腹筋の運動ニューロンの興奮性を同じ条件で測定した.その結果,腓腹筋の運動ニューロンにおいてきわめて顕著な増加が認められた。これは咬合筋の神経支配とヒラメ筋運動ニューロンに関連性の強い神経結合を示唆するもので,特に筋力の大きさを左右する速筋に強い促通性効果が及ぶものと推察される。また持続性振動反射によるヒラメ筋と腓腹筋の支配運動ニューロンへの促通効果は、咬合筋支配運動ニューロンのネガテイブ中枢活動によっても顕著に観察されたので、筋出力様式にとって合目的であることが明かとなった。噛み締めの効果をスポーツの運動機能に結び付ける論議の場合、動作関節の回りの筋群の作用特性を考慮した上で、弱噛み締めから強力な噛み締めまでの効果を対照筋群ごとに評価することの重要が示唆された.
|
Research Products
(1 results)