1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680064
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
角田 聡 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (10158983)
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Keywords | ストレスタンパク / HSP / 運動 / 活性酸素 / 抗酸化 / 核移行 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は運動による酸化的ストレスが抗酸化作用を示すストレスタンパク質(抗酸化ストレスタンパク質)の発現と転写因子であるDNA結合タンパク質に及ぼす影響について検討することを目的とする。本年度は核内の抗酸化ストレスタンパク質が一過性の運動によって発現するかどうかを明らかにするを目的とした。抗酸化ストレスタンパク質としては分子量が27kDaの小さい熱ショックタンパク質(HSP27)の発現について検討した。運動は一過性の水泳運動とし、運動後回復期の単核球核タンパク質をウエスタンブロット法によって分析した。 実験動物は8週齢の雄ICRマウス(日本チャールス・リバー株式会社)、体重30-37gを用い、水温35±1℃の水槽で60分間の水泳運動を実施させた。単核球の採取は運動前、運動後1時間、3時間、6時間にそれぞれマウス3匹の血液をプールして行った。マウスのリンパ球から細胞質画分と核抽出画分を調整し、核タンパク質をSDS-PAGE電気泳動を行い、HSP27の抗体を用いWestern Blottingによって分析した。 その結果運動後6時間に採取した単核球核タンパク中にHSP27の発現が最も強く確認された。このことは運動ストレスによってHSP27の合成が促進し、運動後数時間経って核内に移行したものと考えられるが、さらに長時間の経時的検討を行う必要がある。また水泳運動には浸水によるストレスも加わるので、その影響についても検討する。HSP27がなぜ核内に移行するのかについては明らかではないが、DNAの酸化的損傷の防御、遺伝子の転写因子への影響などが推察される。今後HSP27の詳しい検討と転写因子の発現やサイトカイン濃度の変化についても総合的に検討する予定である。
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