1998 Fiscal Year Annual Research Report
中・高齢者の運動処方としての身体活動リズムを変動させる試み
Project/Area Number |
10680067
|
Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
小田 慶喜 姫路獨協大学, 一般教育部, 助教授 (90194563)
|
Keywords | 心拍数 / リズム / 変動パターン / 身体運動 |
Research Abstract |
中・高齢社会において、より充実した健康生活実践のために、日常生活における運動習慣の重要性が評価され、運動の生活における習慣化が推奨されている。運動の積極的習慣化に資する運動処方の基礎的資料を得るため、高齢者のもつ生理的変動パターンを把握し、より有効な運動の処方が展開できるための基礎資料を得ることを目的として、本年度は、傾向を調査するための予備測定を中心に、心拍数の連続測定によって心拍数の変動パターンを評価し検討を加えた。高齢者のデータと比較検討するため、最も生理的欲求に対して社会的制約を受け難く、運動刺激に敏感と考えられる、小学生の日常における心拍数の連続測定を実施し、70歳前後の高齢者を被験者としたデータとの比較を試みた。高齢者の日常生活を反映する条件として、比較的通常行われている生活を持続している日を対象として測定した。小学生の1日の積算心拍数は多い日と少ない日を繰り返す傾向にあったが、高齢者の1日の積算心拍数は、一定の傾向を認めることができなかった。ただし全体的に運動刺激の少ない生活形態であることが認められた。1日の積算心拍数に小学生との間に差を認めることはできなかった。覚醒時と睡眠時の心拍数の差が小さいことが小学生と高齢者を比較した場合の特徴と考えられる。小学生と比較した場合、覚醒時間と睡眠時間の比率に高齢者と小学生の差が認められる傾向にあった。すなわち、高齢者においては、1日の積算心拍数は小学生との間に差は認められなかったが、睡眠時間が短いことが全体的な心拍数に差を認めない結果を示したものと考えられる。心拍数に一定のこのような結果を基礎にして、中・高齢者が身体運動を積極的に取り入れた日常生活を維持しようとした場合、運動刺激によって生体のリズムがどのように変化するのかを平成11年度の研究において、心拍数の逐日変動パターンで比較検討するよう準備中である。
|