1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680068
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (50125712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福場 良之 広島女子大学, 生活科学部, 助教授 (00165309)
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Keywords | 酸素摂取動態 / ガス交換動態 / 運動 / 過渡応答 / 酸素供給 / 酸素利用 |
Research Abstract |
高強度(乳酸閾値以上)の運動開始時における肺の酸素摂取量(VO_2)のkineticsと全身持久力の間には密接な相関関係がある。VO_2の第2相(急成分)の応答が遅く、運動の継続に伴って緩やかに上昇するVO_2の緩成分(slow component)の占める割合が多いほど、より多くの無酸素性運動エネルギーが用いられ、運動の持久運動が短くなる。したがって、高強度の運動における酸素摂取動態の定量化とその生理学的機序の解明は、日常生活やスポーツなどにおける身体活動の持久性能力や筋肉疲労の評価に有用となる。 本年度は、仰臥位姿勢での運動を用いて、酸素供給の低下を仮定した実験を実施したが、VO_2の緩成分は、立位姿勢における運動のVO_2に比べてより増加した。この結果から、VO_2の緩成分の上昇のメカニズムについては、速筋線維(TypeII)動員の増加、あるいは遅筋線維動員の減少、筋血流量の減少などが要因であろうと推測された(Koga et al.,1999)。 さらに、筋肉量が高強度の運動開始時の酸素摂取動態に及ぼす影響について考察した。結果として、筋肉量を半分にした片脚自転車運動(モーターによる脚引き上げ)の酸素摂取動態は、両脚自転車運動のそれと同じであった。筋肉量の大小にかかわらず、酸素摂取動態が同じであることは、高強度の運動における酸素摂取動態を規定する因子が、中心循環による酸素供給ではなく、運動筋内部の血流分布、ないしは酸素利用であろうと示唆された(Koga et al.,2000,投稿中)。
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Research Products
(1 results)