1998 Fiscal Year Annual Research Report
野球の打撃における手首や手根骨の損傷の予防方法の解明-打撃スキルとの関連を含めて
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10680070
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Research Institution | Chiba Keizai College |
Principal Investigator |
大沼 徹 千葉経済大学短期大学部, 初等教育科, 教授 (70261089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊康 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師
及川 研 東京学芸大学, 教育学部, 講師
三上 修二 千葉経済大学短期大学部, その他の部局等, 教授
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Keywords | スポーツ傷害 / 野球 / 打撃スキル / 感電ゴムセンサー |
Research Abstract |
1.実験用センサー・制御用コンピュータの動作確認、計測値の範囲などは、大学生を被験者とした予備実験で確認した。プロ野球選手のようにインパクト時手掌部に強い圧力が加わる被験者において正確な測定が実行できるかの確認を含め、<実験1>ではプロ選手を被験者とし、打撃時に手掌部に加わる圧力の分布及び、打撃結果の違いによる圧力の大小について調べた。その結果は、(1)有鈎骨周辺で圧力が最も強い。(2)投球にタイミングが合ってスイートスポットでミートした場合の圧力、70kPa、180kPa、240kPa。(3)詰まった場合、300kPa、320kPa、450kPa。(4)打球が上方ファールの場合、420kPa、450kPa。(5)ゴロの場合、170kPaであった。しかし、これらの測定値は精度が高いとは言い難く、高度な技術の打撃の圧力を正確に測定するには、繰り返し使用ができ、かつ大きな圧力に耐えられるセンサーが必要である。(1)取り付け範囲を絞り込む、(2)センサー自体と手袋表面に貼付した配線の、厚み・強度・フレキシビリティを改善すべきこと、等がわかった。 2.小型化し上記の点について改良したセンサーにより、<実験2>で打撃技術の異なる学生被験者の打撃で、妥当な計測が可能かどうかを調べた。実験条件として、被験者全員に、(a)有鈎骨にかかる様にグリップを握りこむ、(b)通常の握り方、の両方で打撃を行わせた。その結果、改良したセンサーにより、ほぼ妥当な測定が可能なことがわかった。その他、(1)圧力値は概ね、200〜300kPa。(2)圧力が加わる時点は、(b)ではインパクト時、(a)ではインパクト後に再度(この傾向は、打球が上方ファールの場合に強いように思われる)、より大きな圧力が測定された。 先のプロ打者の結果とも総合すると、打撃技術レベルが高い方が、圧力が加わるタイミングは集中し、インパクト付近にかつ有鈎骨周辺に高い山が見られる。
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