1998 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の活動余命を推定する指標としての体力の有用性に関する研究
Project/Area Number |
10680074
|
Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
吉武 裕 国立健康・栄養研究所, 健康増進部, 室長 (00136334)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西牟田 守 国立健康, 栄養研究所・健康増進部, 室長 (50112850)
|
Keywords | 高齢者 / 活動余命 / 体力 / 日常動作遂行能力 / ミネラル / クレアチニン |
Research Abstract |
本研究の目的は、活動余命の指標としての体力の有用性を明らかにすることである。そこで、地域在住の60歳以上の高齢者を対象に体力と日常生活動作遂行能力と体力を明らかにするとともに、老化による腎機能の低下の指標としての尿中クレアチニンと体力の関係についても検討した。 1. 体力と日常生活動作遂行能力との関係 今回は、60歳から79歳の女子242名(平均値士標準偏差;67.O±4.3歳)について検討した。その結果、階段昇降や椅子からの起立などの日常生活活動動作を支障なく遂行できる者において、脚伸展パワー、脚伸展力および握力は有意に高い値を示した。しかし、開眼片足立ちにおいては、有意な差はみられなかった。また、脚伸展パワーと日常生活動作遂行能力との間に有意な相関関係が認められた。このことから、下肢筋機能は活動余命の有用な指標になるものと考えられた。 2. 体力と尿中ミネラルとの関係65歳以上の高齢者(男子303名、女子503名)の体力と随時尿のミネラル(クレアチニン比など)との関係について検討した。その結果、体力とミネラルとの間に有意な相関関係がみられた。その中でも、マグネシウムと亜鉛の尿中排泄量が多い人では、握力や平衡機能は低い傾向にあった。 平成11.12年度は対象者数を多くし、高齢者の活動余命の指標としての体力の有用性についてさらに検討する。
|