1999 Fiscal Year Annual Research Report
ハンディキャップ集団による都市空間の認知とナヴィゲーションに関する研究
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10680079
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 耕平 名古屋大学, 文学部, 助教授 (90201988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 利和 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (20200826)
若林 芳樹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70191723)
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40167523)
村越 真 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30210032)
竹内 謙彰 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40216867)
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Keywords | 空間認知 / ナヴィゲーション / 共同研究 / 生態学的アプローチ / ハンディキャップ / 視覚障害者 / 外国人 / 子供 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、3つテーマを中心に研究を遂行した。 1)障害者の空間認知とナヴィゲーション ナヴィゲーションに際し人々は様々な情報を利用するが、その多くは視覚からもたらされる情報である。しかがって、視覚障害者はナヴィゲーションに際して他の感覚障害に比べても多大な不利を被っている。聴覚や触覚など視覚以外の体性感覚をもとにナヴィゲーションを行うが、それら感覚が及ぶ範囲は視覚の及ぶ範囲に比べて極めて狭い。したがって、視覚障害者にとっては、狭い間隔で連続するランドマークをいかに利用できるかがナヴィゲーションの遂行にとって重要である。歩道の表面の肌理などへの配慮が都市計画でなされるべきである。 2)外国人の空間認知とナヴィゲーション 日本での居住歴の浅い在日外国人は、日本語の表記が読めないため、母国でなじみのあった商業施設のロゴ(マクドナルド・シェル石油など)が、ナヴィゲーションの際に参照される重要なランドマークである。彼らにとって、日本の住居表記の仕方は、経路探索を困難にさせている大きな原因である。多くの国では街路を基準に住居表記がなされるのに対し、日本では街区単位となっている。 3)子どもの空間認知とナヴィゲーション 調査者の予想以上に、子どもたちは日常利用している市街地路上において障害を感じていた。視界の悪さや路面の凸凹は、身長や視野、足の安定度などから生じる子ども独特のハンディキャップと関連する。交通標識の意味などを理解できないという点では、外国人と同様のハンディキャップを被っている。
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[Publications] 寺本 潔: "都市と子どもの生活環境"地理学報告. 88. 37-44 (1999)
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[Publications] 寺本 潔: "秘密基地のススメ"美育文化. 49-7. 14-21 (1999)
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[Publications] 山本 利和: "視覚障害者の白杖歩行に関わる2種類の情報"大阪教育大学紀要(部門教育科学). 48-2. 259-373 (2000)
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[Publications] 若林 芳樹: "認知地図の空間分析"地人書房. 318 (1999)
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[Publications] 岡本 耕平: "都市空間における認知と行動"古今書院. 288 (2000)
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[Publications] 寺本 潔: "総合学習・町づくり大作戦"明治図書. 154 (1999)