1999 Fiscal Year Annual Research Report
日高山脈・十勝平野における最終氷期の古環境復元に関する研究
Project/Area Number |
10680095
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平川 一臣 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40126652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 悌二 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (40240501)
山縣 耕太郎 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (80239855)
倉茂 好匡 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (20241383)
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Keywords | テフラ / 十勝平野 / 日高山脈 / 永久凍土 / 水分環境 |
Research Abstract |
1.テフロクロノロジーに基づく河成礫層の精査 十勝平野南部の諸河川の段丘礫層の精査を実施した. ローム層については,歴舟川,楽古川の上流部および平野の数地点で試料を採取し,室内実験を開始した.この調査は日高山脈起源の風成塵の量的検討および,その供給を可能にする古(ツンドラ)環境の評価に関わる.クッチャロカルデラの形成に関わるテフラ(Kc-5)の分布を発見し編年学的意義を検討した. 2.現河床砂礫の水文学的調査 現河床礫,数層準の段丘礫について砂礫の粒度組成調査を豊似川で実施した.このデータに基づいて陸水物理学的解析を行った.人間活動(森林伐採:開墾)による過去百年間における,水文環境の劇的な急変を示す堆積物を認めた. 3.山岳永久凍土環境の調査 日高山脈において現地調査を実施した.ボロシリ岳〜トッタベツ岳周辺において,岩石氷河の可能性のある岩塊地形のマッピングをおこなうとともに,簡易温度計20台を設置し通年の気象観測を実施している.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中村勇吾、片山美紀、平川一臣、石川守: "大雪山主稜線付近に分布する完新世テフラ-同定と高山環境変動の問題検討への意義-"北海道地理. 73. 85-91 (1999)
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[Publications] 平川一臣、岩崎正吾: "トッタベツ川上流における最終氷期の堆積段丘に関する火山灰編年学的資料"北海道地理. 73. 79-83 (1999)
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[Publications] 中村勇吾、平川一臣、岩崎正吾、沢柿教伸: "十勝平野および日高山脈におけるテフラ、とくに氷河堆積物中のテフラの同定"第四紀研究. 39. 33-44 (2000)
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[Publications] 岩崎正吾、平川一臣、沢柿教伸: "日高山脈エサオマントッタベツ川流域における第四紀後期の氷河作用とその編年"地学雑誌. 109. 37-55 (2000)