1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680112
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
多賀谷 久子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70024932)
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Keywords | 液体クロマトグラフィー / 洗浄機構 |
Research Abstract |
あらゆる洗浄過程は、基質(洗浄される表面)、汚れ(基質から除去される物質),溶媒(汚れ除去のために基質と接する液体,洗浄溶液)の三つの要素が存在する.狭義の洗浄は本質的に、基質上の汚れ(基質-汚れ)を溶媒(水、界面活性剤溶液など)を用いて基質-洗浄溶液、汚れ-洗浄溶液に変化させることである。 この過程の起こりやすさは、基質と溶媒の間の汚れの標準化学ポテンシャルの変化の大きさ(親和力),Δμ゚によって決定される。Δμ゚が小さいほど汚れが基質から溶媒に移りやすい、すなわち汚れが落ちやすいことを意味する.そのΔμ゚を支配する要因には、基質の種類、汚れの種類、溶媒に加える界面活性剤の構造、ビルダー、洗浄温度等がある.したがって、目的とする系での汚れのΔμ゚がわかれば、汚れの落ちやすさを予測することができると考えられる。 布などの複雑な繊維集合体に付着した汚れの洗浄過程は、汚れの洗浄溶液への脱離(洗浄)と繊維基質への吸着(再汚染)との間の動的平衡と考えられる.これは、吸着クロマトグラフィーにおける試料の固定相と移動相の関係とみなせる。 そこで本年度の研究では厳密な意味での洗浄剤による洗浄力の評価を目的として、まず各種繊維カラムを開発し、繊維基質を固定相とし、洗剤水溶液を移動相とする汚れの液体クロマトグラフィーによる洗浄力試験法を確立した。
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