2000 Fiscal Year Annual Research Report
LB法を利用した油汚れの水系洗浄に関する基礎的研究
Project/Area Number |
10680113
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
後藤 景子 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (30243356)
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Keywords | Langmuir-Blodgett法 / 水晶振動子法 / アラキジン酸 / シランカップリング剤 / 石英ガラス / 接触角 / 表面自由エネルギー / ケン化 |
Research Abstract |
水媒体中での油汚れの除去に関する基本的情報を得るために,Langmuir-Blodgett(LB)法を用いてモデル洗浄系を作製し,各種水溶液中で超音波洗浄を行った。油汚れのモデルとしてアラキジン酸を使用した。基質には石英ガラス板を用い,シランカップリング剤(γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,メチルトリエトキシシラン)で処理した。水面上のアラキジン酸展開単分子膜を基質上に累積したのち,この基質を水溶液中に浸漬してアラキジン酸LB膜の超音波洗浄を行い,洗浄前後の基質の赤外反射吸収スペクトルから洗浄性を評価した。その結果,シランカップリング処理基質は未処理基質に較べてLB膜が除去されにくく,基質のぬれ性や表面電荷が洗浄性を支配しているという結果が得られた。また,界面活性剤やエタノールの濃度,並びに温度が増大すると洗浄率が大きくなるという結果が得られた。次に,水晶振動子の金電極表面にアラキジン酸単分子膜を累積し,各種水溶液中でLB膜の超音波洗浄を行った。洗浄前後の水晶振動子の周波数変化からLB膜の洗浄率を求めたところ,温度効果,並びにアルカリ,エタノールおよび界面活性剤の添加効果が得られた。洗浄液の接触角と表面自由エネルギーを測定してLB膜/基質界面への洗浄液の浸透に伴う自由エネルギー変化ΔGを算出し,実験結果を検討したところ,LB膜の洗浄性は基本的にΔG値に支配されるが,アルカリ添加系ではケン化による除去も起こっていることが示された。洗浄媒体を用いない洗浄法として,空気中で172nmのエキシマ紫外光を水晶振動子に照射したところ,分単位の照射でLB膜が完全に除去されることがわかった。また,1分以内の照射ではLB膜は全く除去されないが,その後の水系洗浄が促進されることが示された(第10回コロイド界面科学国際会議(2000年7月)で口頭発表)。
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