1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680118
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
綿貫 茂喜 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (00158677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 希代子 倉敷市立短期大学, 服飾美術学科, 講師 (80270007)
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Keywords | 自律神経 / 脳波 / 体温 / 衣服圧 |
Research Abstract |
本年度は身体への圧迫が自律神経系に及ぼす影響を検討した。女子大学生8名を被験者として大腿部をカフで圧迫(0〜20mmHg)し、心臓自律神経系の評価手法として有用である心拍変動性(Heart Rate Variability:HRV)を調べた。心臓交感神経指標はRRIを周波数解析し、低周波成分を低周波成分と高周波成分を加算した値(LF/LF+HF)とした。副交感神経指標は0.1Hzで呼吸したときの呼気時のRRIの最大値と吸気時のRRIの最小値との差とした。また、鼓膜温と足背の皮膚温も測定した。 その結果、心臓交感神経指標と副交感神経評価指標は圧力の増加に伴って下に凸の2時曲線の関係を示した。即ち、心臓を支配する自律神経活動は圧力の増加に伴って減少するが、ある圧力を越えると今度は増大することがわかった。例えば、副交感指標では最小値が10mmHgで得られた。さらに2時曲線の95%信頼限界と最小値の信頼限界から計算すると、圧力が5mmHgまでは自律神経は活動が低下し、5から16mmHgまでは抑制状態を示し、16mmHg以上では亢進することが推測された。なお、鼓膜温も同様な変化を示した。 従来の知見では、衣服による圧迫は自律神経を亢進するという報告と抑制するという報告とがあった。本研究により、圧迫の程度によって自律神経は抑制されたり亢進されたりすることが示唆された。 次年度は脳波や事象関連電位を測定し、圧迫が中枢神経系に及ぼす影響を検討する予定である。
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