1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680120
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
町田 玲子 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (10046493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
疋田 洋子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (90031674)
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Keywords | 輸入住宅 / メンテナンス / 損傷 / 掃除 / 台所 / 個人的空間 |
Research Abstract |
本研究における輸入住宅とは、建物全体あるいは相当量の資材を輸入し輸入元の住宅様式に基づいて造られる住宅をさしている。わが国では、1994年頃から経済政策の一環として輸入住宅の導入が推進され、その戸数は年々増加の傾向をみせている。しかしこれら欧米の住宅を日本の風土、住宅事情の中でいかに維持し管理していくかは明らかにされていない。本研究では、(1)建物の損傷経歴と居住者による維持管理、および(2)居住者の住まい方に関して、それぞれの実態と両者の関わり方を明らかにすることを目的としている。 今年度は、関西圏にある6ヵ所の輸入住宅村でアンケート調査をおこなった。調査期間は1998年10〜12月、調査票配布数208、回収数77、回収率37%であった。また並行して、住宅平面図の収集・分析をおこなった。 (1)については、多くの居住者は日頃から室内の通風や換気、不良箇所の早期発見および修理を心がけており、維持管理意識の高さがうかがえた。また居住年数が長くなるにつれ、住宅の補修についての関心が高まる傾向がみられた。日頃掃除しにくいところは、窓、吹き抜け、じゅうたん、網戸などであり、その理由は設置の位置や設置方法の不具合があげられる。傷みやすい部位は、外壁、建具、給排水衛生設備であったが、外壁については入居時等に供給側からの説明もあり、居住者の管理意識が高く、傷み具合に応じて補修が行われていた。(2)については、輸入住宅特有の居室構成に注目し、台所空間の作業上の問題点を明らかにし、家族の生活的自立の観点から主婦の居場所(個人的空間)の実態を明らかにした。 次年度は、上記(1)と(2)の関わり方を明らかにする一方で、調査地域を拡大させ、維持管理や住まい方の地域的傾向、および従来の住宅との比較検討を行なう予定である。
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