1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680120
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
町田 玲子 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (10046493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
疋田 洋子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (90031674)
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Keywords | 輸入住宅 / 維持管理 / 住まい方 / 家族間の会話 / 家族の共同作業 / 主婦の個人的空間 |
Research Abstract |
輸入住宅の供給実績報告(平成4年度〜平成10年度)によると,我が国には,およそ3万5千戸あまりの輸入住宅が存在する。しかし輸入住宅の損傷経歴と維持管理について,およびそれが住まい方といかに関わっているかについての研究例は未だみられない。 本研究は,戸建て輸入住宅を対象に,その損傷と維持管理の実態,および維持管理に関わる住まい方について明らかにすることを目的としている。 本年度は昨年度調査に対象地1ヶ所を加え,供給者側への聞き取り調査,資料収集・分析を追加した。2年度分の調査から,調査対象世帯は,近畿圏の計7カ所の調査地において1988年から1998年にかけてまとまって建設された輸入住宅に住む計106世帯(悉皆調査を実施,回収率39%)である。なお,平成11年度のアンケート調査は7〜8月に実施した。 以下の結果は,今年度の分析・考察によるものである。 (1)輸入住宅の居住者には,家族団らんを重視する生活志向がみられる。(2)家族コミュニケーション空間としては,リビングルーム,食事室,に次いで,台所の所在が大きい。(3)台所設備の満足意識については,換気扇の効力や手入れのしやすさの点で満足度が比較的低い。(4)入居後,維持管理を「何もしない層」が1割強存在する。台所での家族コミュニケーションが相対的に低い層において維持管理の内容が少ない傾向がみられる。(5)専用の個室を持つ主婦は全体の四分の一であり,親と同居する世帯に専用の個室を希望する割合が高い傾向がみられた。輸入住宅では欧米の設計思想に基づくプランが一般住宅に比べてより可能であるが,主婦の個室についてはとくに差はなかった。
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