2000 Fiscal Year Annual Research Report
伝統的空間としての和室の新しい空間構成に関する研究
Project/Area Number |
10680136
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
國嶋 道子 京都女子大学短期大学部, 生活科学科, 助教授 (10178014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 広実 京都ノートルダム女子大学, 文学部・生活文化学科, 専任講師 (20298706)
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Keywords | 伝統的和室 / 現代和室 / 畳空間 / 生活環境 / 利便性 / 内部意匠 / 照明 / 視覚的効果 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、伝統文化も含め様々な生活環境の違いが見られる関東地区(都心部とその近郊都市)で和室に対する意識調査を行い、関西地区との比較考察した。 和室は若い世代では実生活から欠け離れた存在となってきており、関東地区の方がその傾向は強い。和室に抱くイメージでは、どの年齢層においても和室を落ち着き、安らぎのある空間とイメージされているが、和室に慣れ親しみのある人は、和室に生活感のある明るいイメージを持っているのに対し、和室に慣れ親しみのない人は、実生活から欠け離れたイメージを持っている。和室に慣れ親しみのない人は学生層に多くみられ、変様サイクルにより、今後和室に慣れ親しみのない人が増加していき、これからの住宅における和室の行方に大きく影響することが推察される。今後生活の中に和室を取り入れ残してゆきたいという積極的な考え方の人は、身近に和室を捉え、機能面からも精神面からも個々の暮らしにあった和室を希望する傾向にある。今後住宅に求められる和室は、精神の拠りどころとしての和室、利便性を追及した和室であり、個々の暮らしにあった和室であり、今後ますます和室の内部意匠の省略化、簡略化は進むと考えられる。 一方、内部意匠の省略された様々な現代和室では、ダウンライトやシーリングライトなど種々の照明方式が用いられるようになり、照明も和室において空間構成要素の1つとして重要な役割を担うようになってきている。そこで照明諸要因の和室における視覚的効果について検討した。照明方式、光源の光色、照度を変化要因として実空間での評価実験を行った。照明諸要因は活動性因子および価値因子に影響が大きく、活動性については色温度の高い昼白色光源の影響が強く、また実用性を重視するなら昼白色が高く評価されている。また高照度の方が、都会的、日常的、実用的に感じられていることが認められたが、高ければ高い程よいというわけではない。
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