1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680139
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
長沼 誠子 秋田大学, 教育文化部, 助教授 (30006598)
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Keywords | 米粉 / 微粉 / 理化学的性質 / 調理特性 / 加工特性 / 生地形成性 / ゲル特性 |
Research Abstract |
多様な米粉製品の開発とその品質改善をはかることを目的として、今年度は、米の微粉化による理化学的性質および調理・加工特性の改変について検討した。その結果は次の通りである。 1. ジェット気流粉砕機の回転数を変換することにより、平均粒径40μm、20μm、5μm、2.5μmの米微粉試料を得た。その理化学的性質については、粗灰分、脂質、アミロース量、白色度に違いはみられなかったが、粒径が小さくなるほど水分量、粗蛋白質量が減少した。また、米の微粉化の進行により、澱粉損傷度の増大、膨潤率の上昇、糊化開始温度の低下が認められた。 2. 調理・加工特性として、粉+水系(粒径;水準4、加水量;水準14)による生地形成性をみると、粒径が小さいほど硬く、粘りのある生地が形成された。また、加水量の増加に伴い硬さ・粘性は減少するが、粒径が小さいほどその値の減少度が緩やかになり、特に2.5μmの米微粉は加水量200%においてもなめらかな生地を形成することができた。粉+水+熱系によるゲル特性をみると、ゲル濃度が高いほどゲルの硬さ・粘性は大きくなり、粒径が大きいほど粘りが増大した。ゲルの色調では、b^*値において粒径間に顕著な差異が認められ、粒径が小さくなるほど黄色味が希薄になることが示された。また、2.5μmの低濃度ゲルには気泡性が認められた。 以上より、平均粒径5μm、2.5μmの米微粉は、損傷澱粉の割合が高く吸水性が大きいことから、クリーム状・液状の生地調製にも適合し、特に低濃度における製品のテクスチャー改変に有用であるといえる。 今後は、米微粉の膨化特性の検討を継続的に行うとともに、再構成米粉の諸特性を解明し、粒径別米粉の各種製品への用途適性について予測を試みる。
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