1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680143
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
岡田 美津子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (70035400)
|
Keywords | ビタミンB_6 / ラット / 運動 / アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ / グリコーゲンフォスフォリラーゼ |
Research Abstract |
ビタミンB6(B6)の下限量を与えた幼若の雄ラットを用いて,1日1時間の水泳を課した場合,グリコーゲンおよびアミノ酸代謝がどのように変動するかを検討した.ラットを2群に分けて1群を運動群(E)として上記のような運動を課し,他の群を非運動群(NE)として対照とした.飼育期間4週間直前に2回の24時間尿を採取し,尿素およびB6の測定に用いた.飼育期間終了時に,血液,肝臓,腎臓およびひ腹筋を採取し,B6とB6酵素としてアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性,グリコーゲンフォスフォリラーゼ(Gpase)活性を測定した.ひ腹筋は赤色部と白色部に分けて分析した.その結果,腎臓の細胞質と赤,白のひ腹筋の細胞質およびミトコンドリアAST活性が運動により上昇することが分かった.Gpase活性では運動群の白筋の活性型を表す-AMP活性の低下が認められた.これらのことは運動により腎臓,筋肉でアミノ酸代謝が活発になっていること,および白筋のGpaseから一部PLPがおそらくアミノ酸代謝酵素の方へ移行している可能性が考えられる.また,B6を測定の結果,運動群の肝臓のPMP,腎臓の総B6量,赤白筋のPMPが有意に高くなっていた.更に尿中のB6代謝産物であるピリドキシン酸が運動群で対照群の約半分になっており,運動群では体内への貯留が高まっていることを示唆している.いずれにしても運動にはエネルギー代謝を活発にする為に,B6の代謝系に影響を与えることが分かった.
|