1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物性抗酸化成分の吸収代謝とそれらの生体内酸化ストレスに対する複合的抑制作用
Project/Area Number |
10680145
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10162728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木苗 直秀 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (00046286)
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Keywords | フラボノイド / 低分子ポリフェノール / ルテオリン / 腸管吸収 / 吸収代謝 / 抱合体 / 抗酸化 |
Research Abstract |
ルテオリンをモデル化合物として消化管からの吸収、血中動態、尿中排泄についてHPLCを用いて検討した。ルテオリン投与後の血中および尿中には、ルテオリンのピークの他にモノグルクロン酸抱合体、メチル化体等が検出されたが、主要代謝物はモノグルクロン酸抱合体であることをLC-MS分析により確認した。ルテオリン(プロピレングリコール液)はフリーのルテオリンが15分後に、グルクロン酸抱合体は30分後に血中濃度は最大となり、その濃度は生理活性を示すのに十分な濃度であった。グルクロン酸抱合体は24時間後でさえもわずかに存在していた。フリーのルテオリンおよびその抱合体の尿からの回収率は約4%であった反転腸管実験より、ルテオリン配糖体は加水分解されてからルテオリンとなって吸収されること、吸収時に抱合化されることがわかった。ヒト血中にもラットと同じように、フリーのルテオリンおよびモノグルクロン酸抱合体が存在することが明らかとなった。 一方、ルテオリンとビタミン抗酸化ビタミン(C,E)を単独では弱い抗酸化性を示すような濃度で混合して、AAPH誘導脂質過酸化に対する抗酸化性を検討したところ、3種混合したものが最も強い抗酸化性を示し、複合効果が見られた。今後、生体内での複合効果を検討する予定である。
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