1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680148
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
青木 洋祐 実践女子大学, 生活科学部食生活科学科, 教授 (80049030)
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Keywords | 顆粒球 / カテプシンG / メダラシン / NK活性 / リンパ球 |
Research Abstract |
食品成分の免疫能に対する影響とそのメカニズムを免疫制御因子である顆粒球中性プロテアーゼの面から明らかにするため、以下の実験を行い、成果を得た。顆粒球中性プロテアーゼのうち、カテプシンGのヒトのNK活性に対する影響を調べた。本プロテアーゼは用量依存的にヒトNK活性を増大させた。この作用はカテプシンG阻害剤存在下では消失したので、カテプシンGのプロテアーゼ作用によると考えられる。血清存在下で顆粒球とリンパ球を培養してもNK活性は増大するので、顆粒球に存在するカテプシンGは顆粒球がリンパ球と接触する際に直接作用すると考えられる。カテプシンGによりNK活性が増大する際にNK細胞内のカルシウムイオン濃度が増大することがわかった。従って、カテプシンGによるNK細胞の活性化に細胞内のカルシウムイオン濃度の増大が関与するものと考えられる。リンパ球からNK細胞を純化し、カテプシンGを作用させると、NK活性は増大するが、リンパ球からNK細胞を除去してカテプシンGを作用させると、NK活性は増大しなかったので、カテプシンGはNK細胞に直接作用しているものと考えられる。次に歯肉増殖におけるメダラシンの意義をラットを用いて調べた。nifedipineを投与すると歯肉が増殖することがあることが知られているが、ラットに本剤を投与すると数か月で歯肉が増殖し、メダラシン陽性細胞数が増大した。メダラシンはリンパ球に対する増殖促進作用があるが、歯肉中の繊維芽細胞に作用して増殖を促進したと考えられる。マウスを用いて脂質のうち、リノール酸を投与し、経時的にメダラシン活性を追うと低下することがわかった。更に脂質の種類、投与期間を変えて調べる予定である。ヒト骨髄からプロテイナーゼ-3の精製を試みているが、未だに成功していない。最近、抽出法が問題であることがわかり、種々の抽出法を試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Yamazaki: "Cathepsin G enhances human natural killer cell activity" Immunology. 93. 115-121 (1998)
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[Publications] Yukio Ozaki: "Role of medullasin in nifedipine induced gingival overgrowth" Archives of Oral Biology. 43. 801-810 (1998)
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[Publications] 青木洋祐(分担): "Key Word 1998-2000 血液" 編集:溝口秀昭、浦部昌夫、斉藤政樹、中川雅夫(先端医学社), 241 (1998)