2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680161
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Research Institution | YANAWAKIGAKUEN JUNIOR COLLEGE |
Principal Investigator |
小関 正道 山脇学園短期大学, 食物科, 助教授 (60248987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敦子 山脇学園短期大学, 家政科, 教授 (70014363)
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Keywords | 機能水 / アルカリイオン水 / 電気分離陰極水 / 生理効果 / メダカ / ラット |
Research Abstract |
1、4週令Wistar系雄ラット19匹を予備飼育後、コントロール水、pH9アルカリイオン水、pH11アルカリイオン水摂取の3群にそれぞれ6、7、6匹づつ分け、1ケージ3または4匹づつの集合ケージに入れ市販ペレット飼料で1ヶ月間飼育した。飼育中のミスで水の飲めない群の体重や臓器重量が低下したので、肝臓/体重、腎臓/体重、胸腺/体重、脾臓/体重の値で比較したところ、pH9群の胸腺/体重の値が有意に低下しており、昨年の実験結果であるアルカリイオン水摂取による脾臓重量の低下と同様の傾向を示した。そこで次の実験2を行った。 2、4週令Wistar系雄ラット28匹を、A群:乳酸カルシウム添加(カルシウム濃度10ppm)イオン交換水摂取;B群:A群の水をアルカリイオン整水器に通し製造したpH11のアルカリイオン水摂取;C群:サントリー製ミネラルウオーター南アルプスの天然水摂取;D群:C群の水をアルカリイオン整水器に通し製造したpH11のアルカリイオン水摂取の4群に分け、個別ケージでAIN96G粉末飼料で1ヶ月間飼育した。その結果飼料摂取量、体重増加には変化がなかったがアルカリイオン水群の飲水量が増加する傾向があった。またイオン交換水よりも天然水の方が飲水量が多い傾向があり、D群の飲水量はA群よりも有意に多かった。またアルカリイオン水群の胃内PHは有意に上昇した。肝臓、腎臓、心臓、肺、脾臓、胸腺の重量は群間に差がなく、また血清のアルブミン、IgG、IgM濃度にも変化がなかったので、昨年の結果であるアルカリイオン水摂取による脾臓重量の減少から推測された免疫系への影響の可能性は、見られなかった。また昨年のような肝臓タンパク質濃度の増加も見られなかった。血液生化学検査値にも有意な変動は見られなかったが、血清中性脂肪レベルはアルカリイオン水摂取により低下傾向が見られ、この結果は従来の我々の実験結果や他の研究者の報告にもしばしば見られるので、精巣周辺脂肪含量を測定したところアルカリイオン水摂取群で、低下する傾向が見られた。 従って本年度の実験結果からは、昨年のようなアルカリイオン水摂取による脾臓重量の低下から推測される免疫系への影響は認められなかった。しかし血清脂質レベルや精巣周辺脂肪量が低下する傾向があるので、アルカリイオン水摂取による脂質の消化吸収、代謝に関する検討を、引き続き行う必要がある。
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