1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680164
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Research Institution | Nagano prefectural College |
Principal Investigator |
志塚 ふじ子 長野県短期大学, 生活科学科, 助教授 (60170875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 康博 京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (50195319)
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Keywords | ダッタンソバ / ルチン / OLETFラット / ヘモグロビンA_<1c> / 尿中アルブミン排泄量 |
Research Abstract |
NIDDMモデルラットにおいて糖尿病治療効果を検討した前年度の研究では、ダッタンソバならびにルチンの効果を認めることができなかった。そこで、本年度は、ダッタンソバに加えてダッタンソバ製品を用い、糖尿病発症抑制効果および合併症阻止効果について検討した。 6週齢の雄性OLETFラットに、ソバ粉(普通ソバ粉とダッタンソバ粉の2種類)あるいは糖尿病患者用に開発された中国製ソバ粉製品(組成:ダッタンソバ54%、南瓜24%、黒大豆16%、山薬6%)を20%含む実験食を自由に与え、28週間飼育した。経口糖負荷試験を4週間毎に行い、血漿インスリン、ヘモグロビンA_<1c>についても調べた。さらに糖尿病性腎症の指標として尿中アルブミン排泄量を測定した。 糖負荷試験の結果、いずれの食餌群においても20週齢を超えると顕著な耐糖能障害と高インスリン血症が認められた。ソバ粉を含まない食餌を与えた対照群ならびにダッタンソバ群の約半数のラットは、実験期末には体重が減少し、高インスリン血症も消失した。普通ソバならびに中国製ソバ粉製品群には、そのような病態の悪化を示すラットはほとんど出現しなかった。ヘモグロビンA_<1c>%は病状の進行に伴って増加したが、ソバ粉食群のヘモグロビンA_<1c>%は対照群よりも低かった。ソバ粉食群の尿中アルブミン排泄量は対照群よりも低値であった。以上の結果は、ソバ粉の摂取がNIDDMの発症抑制ならびに合併症進展阻止に有効であることを示す。その効果は、ルチン含量の少ない普通ソバ粉が最も有効であり、ルチンを多量に含むダッタンソバ粉の効果は顕著ではなく、ダッタンソバ粉よりもダッタンソバ粉製品の方が有効であった。そのため、ソバ粉の効果にはルチン以外の成分やそれらの量的なバランスが関係していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)