1999 Fiscal Year Annual Research Report
藻類のビタミンB_<12>の生理機能と酸化抑制物質の食品栄養的機能性について
Project/Area Number |
10680168
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Research Institution | Hagoromo Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
田村 良行 羽衣学園短期大学, 人間生活学科, 教授 (40105036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 重雄 羽衣学園短期大学, 人間生活学科, 助教授 (10280067)
中山 玲子 羽衣学園短期大学, 人間生活学科, 助教授 (00189086)
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Keywords | ケミルミネッセンス / ビタミンB_<12> / ビタミンB_<12>アナログ / スサビノリ / アンセリン / 抗酸化物質 / ウスジレン |
Research Abstract |
紅藻(Porphyra sp.)と緑藻(Enteromorpha sp.)に含まれるビタミンB_<12>の含有量は微生物法(32.26,63.58μg/100g)とケミルミネッセンス法(25.07,69.20μg/100g)において一致しており、これら藻類ではOH・B_<12>型とCN・B_<12>型の生物活性型で存在することを明らかにした。このことより食品としての海苔はビタミンB_<12>の優れた供給源になることが示された。この結果は、海苔(Porphyra yezoensis)を飼料に添加して飼育したB_<12>欠乏ラットの動物実験の結果とも一致した。しかし、健康食品のスピルリナ錠剤(Spirulina sp.)では微生物法(244μg/100g)とケミカルルミネッセンス法(8.3μg/100g)とによる測定値に約8倍の差異があり生物的に不活性なプソイド型ビタミンB_<12>が85%、活性型ビタミンB_<12>が17%の割合で存在することが示された。また、酸化変質しにくい食品である海苔(スサビノリ)に含まれる抗酸化物質の検索を行い、メタノール抽出画分から強力な抗酸化物質を分離精製し、ミコスポリンーグリシンの1種であるウスジレン(usujilene)と同定した。さらに、海苔にはアンセリンやカルノシンなどのヒスチジン関連ジペプチドの酸化抑制物質が存在することを明らかにし、これらのヒスチジン関連物質の抗酸化能をケミルミネッセンス法により測定し分析した。IC_<50>値より抗酸化能の強さはカルノシン>アンセリン>ホモカルノシン>1-メチルヒスチジン>3-メチルヒスチジン>ヒスチジン>ヒスタミンの順であったが、酸化抑制反応の濃度依存性を分析した結果では抗酸化物質としてはアンセリンがカルノシンよりも優れていることを明らかにした。
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[Publications] Watanabe F.,Katsusa H.,Takenaka S.,Fujita T.,Abe K.,Tamura Y.,Nakatsuka T. & Nakano Y.: "Dried Green and Purple Lavers (Nori) Contain Substantial Amounts of Biologically Active Vitamin B_<12> but Less of Dietary Iodine Relative to Other Edible Seaweeds"Journal of Agricultural and Food chemistry. 47(6). 2341-2343 (1999)
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[Publications] Nakayama R.,Tamura Y.,Kikuzaki H. & Nakatani N.: "Antioxidant Effect of the Constituents of Susabinori (Porphyra yezoensis)"Journal of American Chemical Society. 76(5). 649-653 (1999)
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[Publications] Watanabe F.,Takenaka S.,Katsura H.,Masmder S.A.M.Z.H.,Abe K.,Tamura Y. & Nakano Y.: "Pseudovitamin B_<12> is the Predominant Cobamide of an Algal Health Food, Spirulina Tablets"Journal of Agricultural and Food chemistry. 47(11). 4736-4741 (1999)