1999 Fiscal Year Annual Research Report
発想支援型理科教育のためのCGによる化学反応の視覚化
Project/Area Number |
10680182
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
寺谷 敞介 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60087533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育センター, 室長 (50132692)
生尾 光 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (50159589)
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Keywords | 視覚化 / アニメーション / バーチャルリアリティ / 水 / CO_2 / SO_3 / N_2O_4 / 無水フタル酸 |
Research Abstract |
1.化学反応式は、その反応が「なぜ」起こるのかを教えてくれない.化学反応の不思議を知る驚きと「なぜ」が分かる喜びを提供する教材として、量子化学計算にもとづき、化学反応をアニメーション化した.この化学反応アニメーションをコンピュータ顕微鏡を名付け、そのCD-ROMを作成した. 2.高校化学に登場する分子を取り上げ、その反応の様子がよく分かる視覚化の工夫と謎解きの発想を支援する手法を中心に研究した.アニメーション化した反応は、1)水とCO_2の反応 2)水とSO_3の反応 3)水とN_2O_4 4)水と無水フタル酸の反応 5)酢酸とアニリンの反応 である. 3.非経験的分子軌道法(Gaussian98)により遷移状態を求め、極限的反応座標(IRC)理論により反応経路を決定し、結合次数を結合線の太さで表示した各反応段階の画面を描き、動画にした.なお、あらかじめ試作品を、アニメーション化が容易な半経験的分子軌道法(MOPAC)の統合ソフト(CAChe)を用いて作成した. 4.アニメーション画面に反応プロフィール(ポテンシャルエネルギーと反応座標の関係)と反応段階の位置を示すボールを表示した.また、画面下にコントロール・バー(IRCコントローラーと命名)を置き、移動ボタンをマウスで動かし、反応段階を任意の位置まで移すことができるようにした.結合の切断・形成による反応過程を確認できるこの操作は分子を掴んでいるようなバーチャルな感覚を味わえると学習者(大学生)に好評であった. 5.IRC理論による反応経路において、分子と分子の接近ルートと配向は限定されている.分子の接近と配向の観察を容易にするため、トップビューとサイドビューの2画面表示を工夫した.また、学習者が各反応段階の構造を自由に3次元回転することで新たな発見を支援する方法について検討を行った.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 生尾 光,市川 朋美,寺谷 敞介: "コンピュータ顕微鏡-化学反応のダイナミクス-"日本科学教育学会第22回年会論文集. 179-180 (1998)
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[Publications] 市川 朋美,吉村厚,生尾 光,寺谷 敞介: "コンピュータ顕微鏡-身近な物質と水との反応-"日本科学教育学会第23回年会論文集. 151-152 (1999)
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[Publications] A.Ikuo,T.Ichikawa,A.Yoshimura,S.Teratani: ""Computer Microscope"-Dynamics of Chemical Reactions-"ADVANCED RESEARCH IN COMPUTERS AND COMMUNICATIONS IN EDUCATION Edited by G.Cumming,T.Okamoto,L.Gomez IOS Press. 2. 916-917 (1999)
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[Publications] 寺谷 敞介: "コンピュータ顕微鏡-化学反応のアニメーション-"化学と教育. 48(2). 94-97 (2000)
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[Publications] 生尾 光,市川 朋美,寺谷 敞介: "コンピュータ顕微鏡でみる化学反応-水と二酸化炭素の反応-"Journal of Chemical Software. (印刷中).