1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680188
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
齋藤 昇 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60221256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 勝憲 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10284332)
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Keywords | 創造性 / 創造的態度 / 創造性テスト / 山登り式学習法 / コンセプトマップ / 構造的思考 / 表現力 / 情報伝達能力 |
Research Abstract |
1 算数・数学教科における「創造的態度尺度」と「創造性テスト」を開発し,創造性と創造的態度との関係を調べた.小学6年生,中学2年生を対象とした実験では,次のようなことが明らかになった. (1)創造的態度テスト得点と創造性テスト得点の間の相関係数は0.4〜0.6で中程度の相関がある. (2)創造的態度が良好である生徒ほど創造性が高い.その逆は成り立たない. (3)拡散性,流暢性,柔軟性,独創性等の間の相関係数はいずれも0.5〜0.8で強い相関があり,創造性を発揮するには,各創造性因子を兼ねそなえた人格特性が必要である. 算数・数学教科におけるこれらの尺度の開発及び内容は,本研究によって初めて明らかになったことであり,これらの成果に対して,全国数学教育学会から学会賞を受けた. 2 算数・数学学習における創造性の発達を調べるため,小学生,中学生,高校生,大学生約1000人を対象にして創造性テストを実施した.結果については,現在,分析中であるが,数学学習においては,小学生,中学生,高校生,大学生とも年を経ても創造性はほとんど変化しないようである. 3 中学生を対象として,構造的思考力と創造力との関係を分析した結果,それらの間には弱い相関が存在した. 4 日本と韓国のそれぞれにおいて,小学生,中学生を対象として創造性テストを実施し,それらの比較を行った.日本の生徒より韓国の生徒の方が創造性は高いように思われるが,詳細な分析は平成12年度に行う予定である.
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[Publications] 齋藤 昇: "最適問題レベル選定方式を採用した個別学習支援システムの開発"日本教育工学雑誌. 第22巻第4号. 215-225 (1999)
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[Publications] 齋藤 昇: "教育実践学とは何か-数学教育学の立場から-"教育実践学の構築. -. 123-136 (1999)
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[Publications] 齋藤 昇: "数学教育における創造性に関する態度尺度の開発"全国数学教育学会誌. 第5巻. 35-46 (1999)
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[Publications] 齋藤 昇: "創造性創出の基盤をつくらせる方法"新算数教育研究会「新しい算数研究」. No.345. 8-11 (1999)
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[Publications] 齋藤 昇: "創造性の基礎を培うための課題研究型山登り式学習法の開発とその効果"日本数学教育学会誌. 第81巻第12号. 2-12 (1999)
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[Publications] 齋藤 昇: "総合的な学習に期待する"教育科学「数学教育」. No.508. 4-8 (2000)