1999 Fiscal Year Annual Research Report
生物多様性保全を目指す大学における学際的インターンシップ制度と環境復元計画の確立
Project/Area Number |
10680197
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小堀 洋美 武蔵工業大学, 環境情報学部, 助教授 (90298018)
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Keywords | 保全生物学 / 学際的環境教育 / 大学レベルでの実践教育 / 米国大学 / 問題解決型アプローチ / 環境インターンシップ制度 / 国際的フィールド実習教育 / 生態復元プロジェクト |
Research Abstract |
生物多様性の保全を目的とした大学レベルの学際的、実践的なプログラムを日本の大学にも導入することを最終目的とし、これらのプログラムをすでに実践しており、優れた成果を挙げている米国の大学、高等教育機関の先進事例について調査した。 環境インターンシップについては、ボストン大学の生物学部、環境研究コースでの取り組みについて、現地調査を含めて詳細に検討した。その結果、1)環境インターンシップはあくまで、大学教育の一貫として行われていること、2)環境インターンシップは、社会の様々なセクションですでに広く受け入れ られ、定着していること、3)環境インターンの希望学生の関心、能力、将来の進路希望などに関する詳細なデータをもとに、学生と受け入れ機関の双方の希望条件を満たすため、学内組織および学外の専門機関が存在していること、4)インターン学生、教官(大学)、受け入れ機関の三者にとってよい相乗効果を発揮できるような合意形成が事前にされていることなど、環境インターンシップ制度が優れた実践教育となりうる要件であることが明らかにされた。 武蔵工業大学環境学部の3年生を対象とし、上記の1)、3)、4)の要件を満たすパイロットプログラムを作成し、環境インターンシップを実施した。 環境復元の学際的、問題解決型プログラムを開発するため、これらの優れたフィールド学習プログラムを実践している国際的教育機関であるThe School for Field Studies (SFS)の取り組みについて詳 細に検討した。また、SFS の現地校の一つである熱帯林研究センター(オーストラリア、ケアンズ)と共同で日本の大学生を対象としたフィールド実習、生態復元プロジェクトを開発中である。
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[Publications] 小堀洋美: "環境教育の視点からみた大学におけるISO14001の認証取得-その意義と実践"武蔵工業大学教育年報. 9号. 81-84 (1999)
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[Publications] 小堀洋美,E.Stashko,R.Primack: "持続可能な社会システム構築のための大学レベルでの国際的フィールド教育の展開-米国SFSの取組み"日本環境教育学会第10回大会要旨集. 25 (1999)
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[Publications] 小堀洋美: "大学における環境インターンシップ制度に向けて-米国大学の制度に学ぶ-"日本環境教育学会第9回大会要旨集. 160 (1999)
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[Publications] 小堀洋美(分担執筆): "環境問題を学ぶ人のために(和田武編)"世界思想社. 286 (1999)
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[Publications] 小堀洋美(1,8,9章): "生活環境の科学-環境保全への参加行動(佐島・横川編)"学文社. 150 (2000)