1999 Fiscal Year Annual Research Report
創造性育成を目指したシミュレーション教材の構造と効果に関する研究
Project/Area Number |
10680225
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
磯本 征雄 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (10029994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敏 愛知技術短期大学, 教授 (80130946)
橋本 佳明 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (50106259)
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Keywords | 創造性教育 / コンピュータ・シミュレーション / 宇宙旅行 / 物理学 / 情報教育 / 学習教材 / プログラミング |
Research Abstract |
創造性豊かな学習には、課題の理解、深い洞察力と分析力、問題の本質に接近する能力が必要である。そして、創造性育成という観点からは、課題に対する学習者の積極的な取り組みを助け、学習者の個性や独創性を認め、自由な発想と奔放な課題解決への見通しが立てられる学習環境を用意することも重要である。その結果として、学習手順の統制やその成果も不統一となり、学習成果の評価も困難になりやすい。これを防止するには、自由な学習態度をとりながら、明快に評価できる内容のテーマを扱う必要がある。その上で、理解力、洞察力、分析力、積極性などを引き出す内容や構成を工夫しなければならない。 本研究では、近未来に確実に人類の重要課題となる宇宙旅行を題材にして、厳密な法則であるニュートン力学を学習内容とした。平成10年度に基本構成の設計と数十個のモジュールを単体として開発した。続く平成11年度には、宇宙旅行予備訓練、月旅行、火星旅行のシミュレーションをソフトウェアとして完成した。学習者は、ニュートン力学の厳密な規則に従いながら、地球から月へ、あるいは地球から火星への往復旅行を成功させるシミュレーションの中で、課題に興味を持ち、課題全体のイメージを豊富にする。また、工夫によって宇宙船の軌道を自由に調整できるが、その結果の成功の是非は明確に判別できる。また、消費エネルギーを少なくする方法を工夫することで、同じ成功にも優劣をつけることも可能である。これらは、本研究の「創造性育成を目指す教材」に宇宙旅行を選んだ理由でもあった。平成12年度に向けて、活用事例を重ね、創造性育成教材としての効果を検証する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yukuo ISOMOTO,他3名: "Simulation Game Software of Space Travel as Teaching Material Based on Newtonian Kinematics"Advanced Research in Computers and Communications. 351-354 (1999)
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[Publications] 磯本征雄 他3名: "科学教育用シミュレーション教材の設計思想と教授方略-宇宙旅行シミュレーションによる事例研究"電子情報通信学会和文論文誌D. (2000)