2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢難聴者の日常生活における聞こえの補償方法と教育支援プログラムに関する研究
Project/Area Number |
10680237
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Research Institution | TUKUBA COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
大沼 直紀 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター・聴覚障害系, 教授 (20169022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平根 孝光 筑波技術短期大学, 建築工学科, 助教授 (90218793)
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Keywords | 高齢難聴者 / 聴覚障害 / 聴覚補償 / 高齢者の意識調査 / 補聴効果 / 障害の疑似体験 / 難聴シミュレーション / 視・聴覚重複障害 |
Research Abstract |
1)高齢難聴者が日常生活においてどのような聞こえの不自由さを持っているか自己評価することにより障害認識し、補聴器等の聴覚補償機器の選択と活用の意欲を高めさせるための簡易チェックリストを作成した。 2)上記1)のチェックリストを使用して高齢者の聴覚情報補償に関する全国規模の意識調査(アンケート調査対象600名)を実施し、高齢者の聞こえの自己評価による補聴相談対象の決定方法、相談対象者の情報補償に関する要望などについての新しい知見と資料が得られた。また、高齢難聴者の日常生活における聴覚情報補償の対応策について試案を得た。 3)単音節の受聴明瞭度を指標にした従来の成人用語音聴力検査法が適応しにくい高齢難聴者のための人名等を用いた簡易語音聴力検査リストを作成し、補聴器の装用効果が評価しやすい語音聴力検査法を検討した。 4)高齢難聴者の聞こえの特徴を最も顕わす3つの場面(高周波成分を含む子音の聞き誤り、周囲の騒音による聞き難さ、早口の話しの理解し難さ)を中心に難聴の聞こえを擬似体験できるシミュレーションプログラムとシステムを開発し、シニア・シミュレーションとして公開した(東京ガス展示場)。 5)聴覚の障害だけでなく更に視覚の障害が伴なった場合の補聴器適応について、その問題点を調査し、筑波技術短期大学視覚部に在籍する学生の事例をもとに聴覚補償法を検討した。 6)本研究の成果をまとめ、その一部をシドニーにおいて開催された第19回聴覚障害教育国際会議(ICED)及び第7回アジア太平洋地域聴覚障害問題会議(APCD)において発表した。また、聴覚障害を理解啓発するための解説を多数著した。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 大沼直紀: "高齢者の聞こえの自己評価と補聴相談対象候補者の検討"筑波技術短期大学テクノレポート. No.8(印刷中). (2001)
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[Publications] 水野映子,大沼直紀: "高齢者の聴覚情報補償に関する意識調査と対応策の検討"電子情報通信学会技術研究報告. Vol.100,No.600,ET2000-92. 15-22 (2001)
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[Publications] 三崎正之,田上亮,田川潤一,大沼直紀: "高齢者による騒音環境下での音声符号化信号の了解度評価"電子情報通信学会 福祉情報工学研究会第2種研究会資料. Vol.99,No.2. 27-32 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "無意味単音節聴力検査の適応しにくい難聴者の聴取能力評価のための人名語表の試作"筑波技術短期大学テクノレポート. No.7. 115-118 (2000)
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[Publications] 中瀬浩一,大沼直紀: "聴覚障害児の学ぶ教室の騒音下における補聴環境の改善"聴覚言語障害. Vol.29 No.1. 9-14 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "聴覚障害学生の聴覚補償に関する自己管理のための指導プログラムの開発"電子情報通信学会技術研究報告. Vol.100,No.600,ET2000-92. 23-29 (2001)
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[Publications] 大沼直紀: "名前を用いた補聴効果の簡易評価法"聴覚障害. Vol.55 No.8. 32-33 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "ファンクショナルゲイン"聴覚障害. Vol.55 No.9. 36-37 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "子どもの人工内耳"聴覚障害. Vol.55 No.10. 46-47 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "聴覚活用能力発達評価リスト"聴覚障害. Vol.55 No.11. 44-48 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "1990年代の聴覚補償教育の成果・課題とこれからの展望"聴覚障害. 9-16 (2001)
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[Publications] Onuma Naoki: "Directivity controlled loudspeaker system and enhanced effects on TV listening in the elderly"Abstract (19^<th> International Congress on Education of the Deaf and 7^<th> asi-Pacific Congress on Deafness). 195 (2000)
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[Publications] Onuma Naoki: "The audiological self-management program for hearing-impaired college students"Abstract (19^<th> International Congress on Education of the Deaf and 7^<th> asi-Pacific Congress on Deafness). 212 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "アナログ補聴器とデジタル補聴器"聴覚障害. Vol.55 No.2. 26-27 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "聴能評価の観点"聴覚障害. Vol.55 No.3. 36-37 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "最早期聴覚補償教育の成果の検証"聴覚障害. Vol.55 No.4. 26-27 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "聴覚を活用した発音指導"聴覚障害. Vol.55 No.5. 46-47 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "補聴器の効果を左右する要因"聴覚障害. Vol.55 No.6. 34-35 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "補聴器の比較選択法"聴覚障害. Vol.55 No.7. 32-33 (2000)
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[Publications] 大沼直紀: "補聴器の種類とその特徴、聴覚障害者とコミュニケーション(監修;一番ヶ瀬康子)"一橋出版. 9-16 (2000)