1999 Fiscal Year Annual Research Report
障害受験生のための大学入試センター試験用適応型コンピュータ・テストの研究開発
Project/Area Number |
10680246
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Research Institution | National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
藤芳 衛 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (20190085)
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Keywords | 適応型コンピュータ・テスト / 項目応答理論 / 試験時間 / 障害 / ユーザ・インターフェース / 大学入試センター試験 |
Research Abstract |
障害を有する受験生の学習到達度を従来の紙と鉛筆のテストの1/2ないし2/3の短時間に効率よく測定可能な適応型CBT(Computer-Based Test)を試作し,大学入試センター試験への導入の可能性を研究する.障害受験生に対する公正な試験時間の定量的な推定法に関する筆者の研究の結果,現在のセンター試験の1.3ないし1.5倍の試験時間延長率は1.5ないし2.5倍に改善する必要性が示唆された.しかし,二日にもわたるセンター試験の試験時間をさらに延長することは障害受験生の体力的にも試験の実施上も困難であるため,短時間に効率よく測定可能な適応型CBTを開発する. このため,2年計画で障害受験生用CBTのユーザ・インタフェースを開発した.重度の視覚障害受験生には問題は通常の点字冊子で出題し,設問と選択肢は点字ピン・ディスプレイ上に表示し,解答は選択肢の上に位置するマイクロスイッチで入力する.その他の受験生には液晶タブレット上に問題を出題し,電子マークシートをタッチして解答してもらう.特に,肢体不自由受験生には大型の電子マークシートで解答してもらう.また,点字や通常の文字を読むのが苦手な視覚障害や学習障害受験生にはデジタル音声で問題を出題する.また,CBTに問題を出題する項目プールを構築した.大学入試センターには難易度と信頼性が測定された過去20年間にわたる問題が蓄積されているため,一つの問題に一つまたは複数の項目(設問)を含むテストレット型の問題を作成し,項目応答理論を適応して項目パラメータを推定し,数学と英語の25問ずつを蓄積した. この適応型CBTの評価実験は今後の課題とする.
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[Publications] 藤芳衛: "集団応答曲線による視覚障害受験生に対する試験時間延長量の推定法"大学入試フォーラム. No.21. 121-123 (1999)
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[Publications] 藤芳衛: "時間-得点率曲線による障害受験生に対する試験時間延長量の推定法の改良"大学入試研究ジャーナル. No.9. 31-37 (1999)
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[Publications] 藤芳衛: "障害受験生に対する試験時間延長率の推定に関する実験的研究-テストの解答過程の分析による定量的推定法の開発(視覚障害受験生をモデルとして)-"筑波大学博士論文(心身障害学). 1-689 (2000)
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[Publications] 藤芳衛: "障害受験生に対する試験時間延長率の推定法に関する研究"大学入試フォーラム. No.22. 14-22 (2000)
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[Publications] 藤芳衛: "障害を有する受験生に対する共通試験における総合試験方式と科目別試験方式の実施方法に関する比較調査"大学入試フォーラム. No.22. 101-102 (2000)
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[Publications] 藤芳衛 他: "視覚障害受験生の「あはき試験」の試験時間の適切性の検討"日本特殊教育学会第37回大会発表論文集. 12 (1999)
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[Publications] 藤芳衛 他: "平成9〜11年度 特殊教育諸学校の教育課程と大学進学状況に関する調査報告書 共同研究II「大学受験者の学力多様化に対応する入学者選抜方法の検討」報告書別冊"大学入試センター研究開発部. 104 (2000)