1998 Fiscal Year Annual Research Report
HELP原理に基づく新しいフィットネス教育プログラム
Project/Area Number |
10680266
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
井谷 恵子 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (80291433)
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Keywords | アメリカ / フィットネス教育 / 教科体育 |
Research Abstract |
平成10年度において、アメリカの学校で推進されているフィットネス教育に関して、基礎的検討を行った。文献及び現地調査から、以下のことが明らかになった。 1. アメリカの学校で推進されているフィットネス教育に関する基礎的検討 アメリカの学校体育において、近年、フィットネス教育が重視されるようになった背景として、国民の運動不足をはじめとする不健康なライフスタイルに対する危機感をあげることができる。厚生省、CDC、研究組織などから、ライフスタイルの変革や学校体育の改善などを含む多くの報告書や勧告書が出されている。また、1980年代以降の教育改革は、学校教育課程における体育の衰退をもたらした。国民の健康や体力への責任を示すことが、体育の危機打開のために残された道であった。 2. アメリカの学校におけるフィットネス教育プログラムの検討 コービン等によって開発されているフィットネスプログラムは、短期的に体力の向上を目指すものではなく、生涯にわたる主体的なフィットネス実践者を育てることにある。これまでの体力づくりと大きく異なる点は、Health,Everyone,Lifetime,Personalという4つの原則に基づいて、カリキュラムや学習方法が構築される点である。また、自己評価や問題解決能力を高次の目標においた段階的な目標設定がなされている。このような目標を達成するためのストラテジーとして、学習者の認識的側面に働きかけ、フィットネスに関して自己評価や問題解決のできる能力を高めることが重視されている。 次年度においては、コービン等のフィットネスプログラムを詳細に検討する計画である。
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