1998 Fiscal Year Annual Research Report
発達段階に応じた「生きる力」を育成する社会科学習材の開発研究
Project/Area Number |
10680279
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小原 友行 広島大学, 学校教育学部, 教授 (80127927)
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Keywords | 「生きる力」 / 社会科授業 / 国際理解教育 / 環境教育 / 情報教育 / 意思決定 |
Research Abstract |
本研究の目的は,発達段階に応じた「生きる力」を育成する社会科の国際理解学習・環境学習・情報学習に関する学習材を,実験・実証的研究を通して開発していくことである。 平成10年度には,(1)全国各地の図書館等からの社会科国際理解教育・環境教育・情報教育に関する文献・資料の調査・収集,(2)文献・資料の調査・収集に基づく国際理解教育・環境教育・情報教育に関する社会科授業の現状と課題の解明,(3)「生きる力」を育成する社会科授業構成の理論仮説の発見,以上の3点について研究を行った。 その結果として,次の3点が明らかになった。 (1) 社会科で育成する「生きる力」とは,国際化・情報化・環境の悪化といった社会の急激な変化や課題に対して一人一人が合理的な社会的判断を行い,適切な社会的行為を選択・決定していくために必要な社会的な見方・考え方であると考えられること。 (2) 国際理解教育・環境教育・情報教育に関する社会科授業には,事実的な見方・考え方を重視した「理解型」「説明型」の授業と,価値的な見方・考え方を重視した「問題解決型」「意思決定型」の授業があること。 (3) これからの国際理解学習・環境学習・情報学習においては,(1)「社会を知る」「社会がわかる」「社会に生きる」ための見方・考え方の育成,(2)内容的・方法的な見方・考え方の育成,(3)学級という社会的関係の中での相互作用を通した見方・考え方の育成,以上の3点が重要であり,そのためには,「理解型」「説明型」「問題解決型」「意思決定型」の授業を統合した「社会的課題の研究学習」を方法原理とする授業構成が必要であること。
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