2000 Fiscal Year Annual Research Report
発達段階に応じた「生きる力」を育成する社会科学習材の開発研究
Project/Area Number |
10680279
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小原 友行 広島大学, 教育学部, 教授 (80127927)
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Keywords | 「生きる力」 / 社会科 / 環境教育 / 発達段階 / 環境問題 |
Research Abstract |
本研究の目的は,発達段階に応じた「生きる力」を育成する社会科の国際理解学習・環境学習・情報学習に関する学習材を,実験・実証的研究を通して開発していくことである。 平成12年度には,環境教育に焦点をあて,(1)社会科環境学習の学習材開発のための教材研究(フィールド・スタディや文献・資料の調査・収集と分析),(2)理論仮説に基づく小学校中学年・小学校高学年・中学校段階の単元レベルの授業計画案の作成,(3)授業計画案に基づく研究授業の実施と理論仮説・授業計画案の吟味・修正,以上の3点について研究を行った。 その結果として,次の3点が明らかになった。 (1)社会科環境学習で育成する「生きる力」としては,次の4点が重要であること。(1)具体的な活動や体験を通して環境から知的な問題や実践的な問題を見つけることができる問題発見力。(2)問題を解決するために必要な情報を受信したり,情報を発信したりする情報活用能力。(3)知的な問題「なぜ,どうして」を解決する探求力(思考力)。(4)実践的な問題「どうしたらよいか,どの解決策がより望ましいか」を解決する意思決定力(判断力)。 (2)発達段階に応じた社会科環境学習という観点では,小学校中学年では問題発見力と情報活用能力の育成を,小学校高学年では知的な問題を解決する探求力の育成を,中学校段階では実践的な問題を解決する意思決定力の育成を重視するすることが大切であること。 (3)「生きる力」を育成する社会科環境学習の学習材としては,環境のよさや現状,環境の働き,環境と人間生活のかかわり,環境の問題(地球温暖化,オゾン層の破壊,熱帯林の減少,酸性雨,海洋汚染,都市・生活型公害),環境保全の取り組みや環境問題解決の新しい知恵などを取り上げることが有効であること。
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