1998 Fiscal Year Annual Research Report
科学的に探究する能力と態度を育てる総合化学実験カリキュラムの試行
Project/Area Number |
10680282
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
今倉 康宏 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (10112640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 清 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (70240893)
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Keywords | 色の化学 / カフェイン / タンニン / 赤外吸収スペクトル / 核磁気共鳴スペクトル / 紫外・可視吸収スペクトル / 分子軌道計算プログラム / 高速液体クロマト |
Research Abstract |
「科学的に探求する能力と態度を育てる総合化学実験カリキュラムの試行」の研究課題として10年度は下記の研究実績を上げた。 茶葉を用いた化学実験プログラムの試行 鳴門教育大学・自然系理科教育講座の学部三年生に実施した本化学実験プログラムは、身近な天然素材として茶葉を試料に用い、教科の枠や目標にとらわれずに、学習者が総合的に探究する能力を習得できるように配慮した5段階からなる。第一段階:本実験プログラムの概要・学生による実験にようする試薬及び実験装置の考案;第二段階:茶葉の成分カフェインの単離・同定(抽出方法・TLC・再結晶・減圧蒸留・ガラス細工);第三段階:カフェインの構造決定(IR・UV・NMRの利用);第四段階:カフェインの化学的性質(昇華性・タンニン酸試液との反応・ムレキシド反応・ドラーゲンドルフ試液との反応・コンピューターによる構造と色との関係の理解);第五段階:第二〜第四段階の実験中学生自らが提出した疑問・課題から三つの研究課題「茶葉中のタンニン成分のHPLCによる同定;アルカロイド含有植物の探索;カフェイン含有物質の探索(紅茶・烏龍茶・コーヒー豆)」の選択実験およびそれらの実験研究の発表・討論 本化学実験プログラムの特徴は、総合的に物質を探求する能力と的確な判断力を養成できるように、教師・学習者が茶葉の他にも興味ある実験試料を選択し、応用・実施できる実験方法を提唱した。この実践研究の一部は日本化学会「化学と教育」1999年47巻6号に掲載予定である。
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Research Products
(1 results)