1998 Fiscal Year Annual Research Report
てんかんをもった学習障害児の学校生活における支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
10680284
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長尾 秀夫 愛媛大学, 教育学部, 教授 (80036483)
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Keywords | てんかん / 学習障害 / 学習支援 / 学習指導 / 学校 / 事故 |
Research Abstract |
てんかんをもった子どもの学習上の問題を検討するに当たり、その前提となる日常生活への配慮方法を実態調査により明らかにし、論文として公表した。論文の要旨を下記する。 てんかんをもった子どもの生活指導表は著者が既に作成しているが、この研究ではその指導表を基にてんかん児の生活の実態を調査して生活上の課題を明らかにすることを目的とした。対象は2歳から33歳までの403人で、指導区分は担当医がアンケートに記入したものを集計した。最初に各指導区分の代表例を挙げて指導表の活用方法を示した。次に指導区分と事例との関係を検討したところ、事故の危険度の高い順に指導区分A28人(6.9%)、B25人(6.2%)、C91人(22.6%)、D259人(64.3%)であった。てんかん児の主たる生活の場は、AとBは2例を除き養護学校や入所施設等、Cは広く分散し、Dは普通学級や一般企業が大部分であった。本研究により、指導区分AとBではすでに個別指導が可能な学校や施設に所属しているので具体的な介助方法、指導区分Cでは周囲の人々のてんかんへの理解と対処、指導区分Dではてんかんに対する社会的偏見の改善が課題であることが明らかとなった。 以上が論文の要旨であるが、この指導区分C、Dではしばしば学習上の問題(学習障害)が生じている。現在、この子ども達について認知検査を行い、その特性に応じた学習指導の試みを行っている。また、この生活指導表等については1998年9月にスロベニアで開催された国際小児神経学会でも発表した。 さらに、本研究費でパソコンを購入したので、現在インターネットのホームページを作成中である。
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