1999 Fiscal Year Annual Research Report
てんかんをもった学習障害児の学校生活における支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
10680284
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長尾 秀夫 愛媛大学, 教育学部, 教授 (80036483)
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Keywords | 子ども / てんかん / 学習障害 / 学校生活 / 指導法 / 支援法 |
Research Abstract |
てんかんをもった子どもの学校生活を充実したものとするためには、学習上の障害を最小限にするために、子どもが安全で活発な生活を送れる環境を整備しなければならない。 そこで2年次の本研究では、著者らが日本小児科学会雑誌に発表したてんかん児の生活指導表を実際に用い、そこで得られた結果をまとめて日本特殊教育学会の機関誌である特殊教育学研究に発表した。本研究により、てんかんに伴う事故予防のために厳重な監視や濃厚な介助が必要なてんかん児の多くは知的障害養護学校等の特殊学校に在籍していることが明らかとなった。他方、通常の学校に在籍するてんかん児は発作頻度が少なく特別な配慮や介助をほとんど必要としないが、まれに起こる発作や服薬・通院等に対して周囲の人々の理解が必要であることも明らかとなった。 また、てんかん児の学校生活についての調査結果から、てんかん児の生活において特別な介助や配慮を必要とする子どもの大部分が何らかの合併症をもった子ども達であることが証明された。そこで、精神遅滞、自閉症障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害、脳性麻痺、重症心身障害、その他の情緒障害等を合併したてんかん児の学校生活において配慮すべき点を自験例をあげて解説し、愛媛大学教育学部紀要に発表した。特に、学習障害の子どもについては心理検査(K・ABC)を行い、その結果に基づく学習指導の試みを例示し、現在も事例を追加して研究を継続している。以上の合併症をもったてんかん児の指導・支援法については、社会的啓蒙活動の一貫として東京と大阪で開催された日本てんかん協会主催のてんかん学基礎講座で講演を行った。
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