1998 Fiscal Year Annual Research Report
テクストのマクロ構造の分析と教育データベース化に関する基礎研究
Project/Area Number |
10680306
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
加藤 清方 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20185838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 明子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60242228)
竹中 弘子 (谷部 弘子) 東京学芸大学, 留学生センター, 助教授 (30227045)
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Keywords | テクスト / マクロ構造 / 階層性 / 言語的・非言語的指標 / インタフェイス / 方略 / コンピュータ支援文章構造把握システム |
Research Abstract |
平成10年度の研究実績は、下記の3点に集約できる。 (1) テクストの構造分析 テクストマクロ構造の階層性とそれを支えている諸々のファクターの調査・研究を行った。 調査は主にテクスト言語学に関連する先行研究を文献調査等により行った。 (2) テクストの受容過程を解明する調査実験の遂行 読解するための方略とそれを支えている言語的・非言語的指標を調査実験により分析した。 調査実験は、ある文章を外国人留学生と日本人学生に読ませ、順次、形式段階毎に課題カードに答えさせる方式と、文章の要約を書かせる方程式により行った。 (3) 読解教材のプロトタイプの開発 上記(1)及び(2)において得られた成果基づいて、外国人留学生のためのコンピュータ支援文章構造把握システムのプロトタイプ「こうぞう君」を開発した。システム環境としては、ハードウェアとして、マッキントッシュを使い、ソフトウェアとして、MacOS及びハイパーカード(v.2.3)を使用、学習者が文章の中のどの文に焦点をあてて文章を読むかを自動記録し、また、その記録されたデータをもとに、文章全体の要約の元になる構造を自動記録できるようなシステムとした。 コンピュータ文章構造把握システム「こうぞう君」のプロトタイプについては、約80名の被験者による検証を行い、最初のバージョンから数えて4回ほどの修正を行い、精度を高めることに成功した。その結果、同教材システムの動作がスムーズになり、人間工学的な観点からも、インタフェイスの改良につながった。今後の課題としては、定量的なデータの更なる蓄積により、定性的な分析の基礎を獲得する必要がある。
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