1998 Fiscal Year Annual Research Report
グラフィカルモデリングを中心とした新しい多変量解析法とそのソフトウェアの開発
Project/Area Number |
10680317
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
永田 靖 岡山大学, 経済学部, 教授 (30198337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 雅巳 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (90157595)
仁科 健 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60115681)
椿 広計 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (30155436)
栗木 哲 統計数理研究所, 統計基礎研究系, 助教授 (90195545)
狩野 裕 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (20201436)
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Keywords | グラフィカルモデリング / 共分散選択 / 対数線形モデル / 偏相関係数行列 / 条件付き独立 / 独立グラフ / 有向独立グラフ / バス図 |
Research Abstract |
グラフィカルモデリングを中心として,統計的多変量解析について理論面と応用面から研究した。 理論面からの研究成果としては,次の点が挙げられる。(1)モデル選択を繰り返し行う際に考慮しなければならない検定の多重性の問題についての整理とその解決,(2)モデル選択におけるフルモデルからの逸脱性に関する統計量の性能の研究,(3)パス図に基づく介入効果と相関の分解の関係の研究,(4)パス図に基づく新しい変数選択の考え方の研究,などである。 次に,応用面からの研究成果としては,次の点が挙げられる。(1)量的変数に基づくグラフィカルモデリングに関する解析ソフトウェアの開発,(2)質的変数に基づくグラフィカルモデリングに関する解析ソフトウェアの開発,(3)応用事例への適用と解釈,などである。この中で,(3)の応用事例としては, 「顧客満足度調査への適用事例」, 「IC製造工程の要因分析への適用事例」, 「工業製品の故障率の分析への適用事例」他があり,グラフィカルモデリングを適用することにより,複数間の変数の関連を分析して,因果仮説を構築・検証することに成功した。 理論面において残されている課題は多いが,その中でも,サンプルサイズが大きくなった場合の適合度の指標の妥当性の検討と代替指標の提案の問題,質的変数と量的変数が混在する場合のグラフィカルモデリングの解析方法の研究とモデルの評価指標の開発,などを今後の研究の展開の中で取り組んでいきたい。 また,応用面では,よりデータ解析の行いやすい解析ソフトの開発を行う一方で,階層的な構造を持つ因果仮説の構築と検証を中心とした適用事例を検討していきたい。
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[Publications] 永田 靖: "多重比較法の実際" 応用統計学. 27巻・2号. 93-108 (1998)
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[Publications] 永田 靖: "誤差分散のスタイン型改良信頼区間の最適性について" 岡山大学経済学会雑誌. 30巻・3号(掲載予定). (1999)
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[Publications] Kano,Yutaka: "More higher order efficiency" Journal of Multivariate Analysis. Vol.67,No.2. 349-366 (1998)
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[Publications] Kano,Yutaka: "Delta method approach in a certain irregular condition" Communication in Statistics, Theory and Methods. 掲載予定 (1999)
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[Publications] 椿 広計: "リモートセンシングにおける統計モデル(2)統計モデル構築の実際" 日本リモートセンシング学会誌. 18巻・2号. 80-84 (1998)
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[Publications] 仁科 健: "Waldの逐次検定に基づく累積和管理図の確率的性質" 日本品質管理学会誌. 21巻・1号. 104-110 (1999)
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[Publications] 宮川 雅巳: "統計技法" 共立出版, 211 (1998)