1998 Fiscal Year Annual Research Report
離散カテゴリカルデータにおけるモデル適合と超過変動の処理に関する研究
Project/Area Number |
10680319
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
越智 義道 大分大学, 工学部, 助教授 (60185618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 経史 大分大学, 工学部, 助手 (00244153)
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Keywords | カテゴリカルデータ / 超過変動 / ディリクレー多項分布 / 擬似尤度法 |
Research Abstract |
本研究はカテゴリカルな反応を持つデータの分析の中でも超過変動がみられるような状況の際の分析法について特にその共変量効果にかかわる評価に関する研究を行うものである。 本年度の研究では,まず多項反応にかかわるモデル適合の際に生じる不適合の診断法と超過変動の処置に関して,パラメトリックな分布拡張としてのディリクレー多項分布とその平均-分散構造に着目した擬似尤度法について,分析手順について考察し,基本的な分析の枠組みとなる分析プログラムを確立した。その上で超過変動が認められる場合の累積ロジット,連続比ロジット,隣接カテゴリロジット,コンプリメンタリ log-logなどの多項反応の関連性尺度の構成法の違いによる共変量効果の評価について検討した。その結果,一般に超過変動が認められる場合には共変量効果について保守的な結果を得る場合が多いものの,拡張分布のもとで関連性尺度の構成を含めて十分なモデルに関する検討を行なわなければ解析結果,特に共変量効果の有意性,に誤謬を生じる恐れがあることが明らかになった。この結果については第66回日本統計学会(1998.7)にて発表した。さらに,これらの研究の過程でディリクレー多項分布を想定したモデル化では,過小変動に関する表現に制約が強く,モデル適合に不具合が生じる点などが認められる一方,擬似尤度法による分析では比較的緩やかな制約のもとでデータの分析ができることが明らかになった。この点については現在報告書を計画中である。 以上の成果を踏まえて今後,さらにこれらの分析手法の特性評価を進めるとともに,計算機集約的技法や新たな分布拡張にもとづく他の分析法の可能性を検討し,それらの分析法間の比較を行う予定である。
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Research Products
(1 results)