1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680326
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
種村 正美 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 教授 (80000214)
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Keywords | 多結晶ネットワーク / パラメトリック推定 / 点配置データ / ベイズ推定 / MCMC法 / Voronoi分割 |
Research Abstract |
従来の「空間統計学」では、集中型の配置(不均質な配置)に関しては、今なおパラメトリックな手法の研究が不十分であった。このような現状を打破するため、本研究では、不均質な配置の例として、ランダムなネットワーク構造から発生したと予想されるようなタイプの点配置を考察し、これに対応する空間統計学におけるモデルの構築と、パラメトリックな推定の手法を開発して、実際の点配置データに適用することによって、モデルと統計手法の有効性を確認することを目的としている。 上に述べたパラメトリックな統計的手法として、ベイズ推定によるアプローチを試みている。観測されるデータは、点の位置座標xとし、このデータが多結晶ネットワークの境界(辺)から発生したとするモデルを考え、ネットワークの母点yなどを非観測量とする。さらに、xが発生したネットワーク上の対応点をz[非観測量1として、z=z+εを仮定する。ここで、εは正規分布に従うと仮定する。さらに、母点yから構成されるネットワークとしては、Voronoi分割ネットワークを考える。 本年度は以上の設定によるアプローチが実際にベイズ推定の問題に適用可能であるかを、シミュレーションによって作成した2次元データに対して検証した。ベイズ推論において、予め仮定した事前分布から、非観測量を含んだ事後分布を実現するため、Markov Chain Monte Carlo(MCMC)法を用いた。シミュレーション計算のために、今回導入したワークステーションを用いた。 研究成果の一部は、第66回日本統計学会の講演、イスラエルで開催された「第4回ISISシンメトリー国際会議」、および科学研究費基盤研究Aのシンポジウムでの招待講演として発表された。
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