2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680326
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
種村 正美 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 教授 (80000214)
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Keywords | 多結晶ネットワーク / 点配置データ / パラメトリック推定 / ベイズ推定 / MCMC法 / ボロノイ多面体 |
Research Abstract |
従来の「空間統計学」では、集中型の配置(不均質な配置)に関しては、今なおパラメトリックな手法の研究が不十分であった。このような現状を打破するため、本研究では、不均質な配置の例として、ランダムなネットワーク構造から発生したと予想されるようなタイプの点配置を考察し、これに対応する空間統計学におけるモデルの構築と、パラメトリックな推定の手法を開発して、実際の点配置データに適用することによって、モデルと統計手法の有効性を確認することを目的としている。 上に述べたパラメトリックな統計的手法として、ベイズ推定によるアプローチを試みている。その方法については一昨年度の本報告に要約を記載したので省略する。ベイズ推論において、予め仮定したシミュレーション計算のために、一昨年度導入したワークステーションを活用し、データ解析のために昨年度および本年度導入した統計ソフトウェアを用いた。 本年度は研究計画の最終年度に当たり、シミュレーションによって作成した3次元データに対して確認することを目指し、3次元の実データの解析を最終目標とした。3次元のデータ解析のためには、所与の3次元点配置に対して3次元ボロノイ多面体を効率よく構成するための計算機プログラムが不可欠であり、今年度はそのプログラムを実装することから研究を開始した。現在、シミュレーションデータに対する推定手続きを完成し、実データの解析を残すのみとなった。 研究成果の一部について、英文の研究論文として投稿準備中であるが、関連研究については印刷公表した。
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[Publications] H.Honda,M.Tanemura and A.Yoshida: "Differentiation of wing epidermal scale cells in a butterfly under the lateral inhibition model"Acta Biotheoretica. 48-2. 121-136 (2000)
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[Publications] 種村正美: "ランダム配置に対するボロノイ領域の統計分布"形の科学会誌. 15-2. 116-117 (2000)