適応アルゴリズムの設計と評価方法に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10680337
• Research Institution: Tokyo University of Agriculture and Technology
• Principal Investigator: 中森 眞理雄 東京農工大学, 工学部, 教授 (00111633)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩澤 京子 拓殖大学, 工学部, 助教授 (80251578) ; 池田 諭 東京農工大学, 工学部, 助手 (70282796) ; 品野 勇治 東京農工大学, 工学部, 講師 (00297623)
• Keywords: 適応アルゴリズム / アルゴリズム / 計算複雑度 / 内部マージソート / グラフ同形性

Research Abstract

適応アルゴリズムとは、個別データの特徴を調べて、それに適したアルゴリズムを適用することにより、問題解決の時間を短縮しようとするものである。
本年度は、グラフの同形性、3次元割当て問題を取り上げ、それぞれについて、複数のアルゴリズムを考察し、得意・不得意とするデータを研究した。
グラフの同形性に関しては、前処理の効果がきわめて大きいことに注目し、前処理が計算時間に及ぼす影響を測定した。その結果、グラフを層別グラフとして分解すると、いわゆるしらみつぶし的アルゴリズムでも、同形性判定に要する時間が指数関数的になる確率はきわめて小さいことが分かった。さらに、完全マッチング問題のアルゴリズムを利用することにより、一層の性能向上が期待できることが分かった。計算機実験の結果では、グラフの点の個数の4乗に比例する時間で同形性・あるいは非同形性が判定できることが分かった。
3次元割当て問題については、半導体製造装置の設計問題への応用が可能であることを明らかにした。また、この問題を変形し、確率論的考察を加えることにより、不完全な部品を多数組合せて許容限度内の精度のシステムを組み立てる問題のアルゴリズムを導き、システム設計に関する大きな成果を得た。

Research Products

• [Publications] 荻原斉: "整列問題のネットワークフローモデルによる解釈とその拡張"情報処理学会論文誌数理モデル化と応用. 40・2. 150-159 (2000)
• [Publications] 中森眞理雄: "モデルと最適化"数理モデル化と問題解決シンポジウム論文集. 129-139 (2000)
• [Publications] 福田和真: "グラフの同形性判定における層別グラフ利用の効果"電子情報通信学会論文誌(DI). 83・9. 804-807 (2000)