1998 Fiscal Year Annual Research Report
モバイルコンピューティングを支援する高速連続メディア向けリアルタイムOSの研究
Project/Area Number |
10680338
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉澤 康文 東京農工大学, 工学部, 教授 (10280992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 栄一 拓殖大学, 工学部, 助手 (40262240)
並木 美太郎 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10208077)
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Keywords | モバイルコンピューティング / モバイルエージェント / VOD:Video On Demand / 連続メディア処理 / 周期的タスク / スケジューラ / Rate Monotonic方式(スケジュール) / MPEG1 |
Research Abstract |
モーバイルコンピューティングでは,無線通信の信頼性向上,通信コスト,データ転送速度,セキュリティの脆弱などの問題があり,これらの問題解決を試みた.ホームページの閲覧や検索,ファイルのダウンロードの利用での高コストを解決するために,モバイルエージェントシステムを提案している.エージェントをダイヤルアップ先のサーバマシンに常駐させ,外出先からのアクセス時にホームページの情報検索を代行させる方式を提案した.エージェントはキーワードを複数の検索サイトに問い合わせ,検索結果を基にデータを取得する.ユーザが指定した情報が集まった時点で,エージェント側からクライアントにコールバックしデータを転送する仕組みを実現した.さらに,データ転送の際に生じる無線通信路の断絶に対して,転送保証機能をもつプロトコルを考案した.セキュリティに関しては,PHSの発信者番号通知を利用したユーザ認証を行う提案を行った.これらの機能を統合したモバイルエージェントシステムにより,モバイルコンピューティング環境での通信コストの削減を行った. 連続メディア処理<マルチメディア>としてVideo On Demand(VOD)を取り扱った.連続メディア処理のでは,データの取得,展開,描画などの基本的処理を周期的に繰り返す性質を持ち,時間的な正確さを要求するリアルタイム性にある.本研究では,連続メディア処理の要求を満たす周期的CPUを割付け機能を持つタスクスケジューラの開発を目的とした.ここでは,周期的タスクモデルを提供し,連続メディア処理を実現した.具体的には,起動周期と1周期に必要なCPU時間をOSに宣言する機能,・1周期内の処理が終了したことをOSに通知し,スリープする機能、・デッドライン超過時に呼び出されるハンドラの登録を行う機能の機能を提供している.本周期的タスクモデルを実現するスケジューラの実現では,・周期的タスクの優先度はその他のタスク(非周期的タスク)より高くする・短い周期的タスクを優先するRate Monotonic方式とする・同一起動周期内のタスクに対して,FCFSでスケジュールする機能などを実現した.上記の目標の達成を実証するために,MPEWG1の要求である30frame/secの処理を起動周期33msの周期的タスクとしたとき,スケジューリング遅延が起動周期の5%以下になることを確認した.
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