1998 Fiscal Year Annual Research Report
ネット理論に基づくソフトウェア開発プロセスの予測評価とそのフィードバック
Project/Area Number |
10680354
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊野 亨 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50093745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 真二 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (30234438)
|
Keywords | ソフトウェア開発プロセス / ペトリネット / シミュレータ / パラメータ / コスト見積り / 品質予測 |
Research Abstract |
本研究では,一般化確率ペトリネントの拡張モデルに基づいて開発したソフトウェアプロジェクトシミュレータのパラメータ決定手順の確立と具体的なパラメータ値の決定を行った.また,得られたパラメータ値が有効であることを評価実験によって確認した.平成10年度における主な研究成果は次の通りである. (1) 有効なパラメータのしぼりこみ これまでに開発してきたソフトウェアプロジェクトシミュレータには多数のパラメータが準備されているが,必ずしもすべてのパラメータを適用するプロジェクト毎にカスタマイズする必要はない.そこで,ある企業から提供を受けた詳細なプロジェクトデータの分析を行って,設計とコーディングについて,カスタマイズが必要なパラメータの種類をしぼりこんだ. (2) パラメータの値の決定手順 個別のプロジェクトに対応するためには,パラメータの値を迅速にしかも系統的に決定する手順を確立する必要がある.(1)での分析結果に基づいて,カスタマイズすべきパラメータをしぼりこんだ上で,各パラメータについてその下限値と上限値を実際のプロジェクトデータを用いた予備実験から求めた.次に,作業結果への影響の度合いを考慮して,パラメータの間に(値を確定する順番についての)優先順位を決定した.これらのことから,少ない回数のシミュレーションでほぼ最適なパラメータ値の組を得ることが可能となった. (3) 評価実験 本研究で得られたパラメータの値を使用して,プロジェクトの工数,残存不具合数の見積り値をプロジェクトシミュレーションで求めるという実験を行った.なお,本格的な評価実験は平成11年度に計画している.その結果,提案した手順で求めたパラメータ値は従来のパラメータ値に比べこれらの見積りにとってより有効であるという感触を得ることができた.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Osamu Mizuno: "Experimental evaluation of twu-phase project control for software development process" IEICE Trans.on Fundamentals of Electronics,Communications and Computer Sciences. E81-A(4). 605-614 (1998)
-
[Publications] Osamu Mizuno: "Customization of software projectsimulator for improving estimation accuracy" Proc. of 9th International Symposium on software Reliability Engineering, Fast Abstracts & Industrial Practices. 47-48 (1998)
-
[Publications] 水野 修: "ソフトウェアプロジェクトシミュレータのためのパラメータ値の設定" ソフトウェアシンポジウム‘98予稿集. 16-23 (1998)