1998 Fiscal Year Annual Research Report
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10680374
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
赤木 正人 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (20242571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 護 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20262595)
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Keywords | 雑音 / 残響 / 聴覚機構 / 聴覚末梢系 / 神経発火 / 両耳間時間差 / 音源方向定位 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人間の聴覚機構に存在する選択的聴取機構について、計算機による聴覚情景解析の考え方にそって、選択的聴取機構の数理的本質を明らかにし、これを計算機上に実現することによって、雑音・残響が存在する実環境においてさえも目的信号音を忠実に再現できるシステムを実現することである。そこで、本年度は、(1)聴覚末梢の生理モデルによる音源方向の推定、(2)雑音中の音声を抽出するための手がかりの検討、および、(3)少数マイクロホンによる目的音と雑音の推定方法の検討、を行なった。得られた結果は以下の通りである。 1. 聴覚の生理モデルによる音源方向の推定 神経発火やシナプス伝達などの生体内部で行なわれる情報伝達の信号パターンを計算機上に実現し、それらを時間差検出回路モデルに適用することで音源方向定位機能を構築した。そして、実際の聴神経に現われるような時間的なゆらぎを持つ神経インパルスを模擬した信号を入力として用いて、信号伝達の時間的な冗長性や時間的ゆらぎが両耳間時間差の検出に与える影響について検証した。その結果、信号伝達の時間的な冗長性や時間的ゆらぎが、信号伝達の過程や非線型な出力機構において、両耳間時間差の抽出に貢献する可能性が示された。 2. 雑音中の音声の抽出 Bregmanによって提唱された四つの発見的規制を物理的制約条件として捕らえ直すことにより、調波復号音と雑音を分離する二波形分離モデルを提案した。また、入力位相に関する制約条件を再考し、これを正確に求める方法を考案することで、波形レベルで正確に雑音中の母音を分離抽出できるモデルを新たに提案した。このモデルを用いれば、雑音中からきれいな音声を抽出でき、音声認識率を向上させる可能性がある。 3. 少数マイクロホンによる目的音と雑音の推定 3本のマイクロホンのみを用いて、雑音中から音声スペクトルを抽出する方法を提案した。提案法は、目的音方向に零点を作り、雑音のみを取り出して雑音スペクトルを推定し、元の混合波形のスペクトルから雑音スペクトルを引き去ることによって雑音除去を行なう。このため、突発雑音でも除去が可能である。この方法により、従来のdelayed-sum法で6本のマイクロホンを用いた場合と同等の結果が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mizumachi and Akagi: "Noise reduction by paired-microphones using spectral subtraction" Proc.ICASSP98. II. 1001-1004 (1998)
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[Publications] 赤木正人: "聴覚特性を考慮した波形分析" 日本音響学会誌. 54,8. 575-581 (1998)
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[Publications] Unoki and Akagi: "Signal extraction from noisy signal based on auditory scene analysis" Proc.ICSLP98. 5. 2115-2118 (1998)
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[Publications] Akagi, Iwaki and Sakaguchi: "Spectral sequence compensation based on continuity of spectral Sequence" Proc.ICSLP98. 4. 1407-1410 (1998)
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[Publications] Unoki and Akagi: "A method of signal extraction from noisy signal based on anditory scene analysis" Speech Communication. (採録決定,印刷中).
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[Publications] 水町,赤木: "マイクロホン対を用いたスペクトルサブトラクションによる雑音除去法" 電子情報通信学会論文誌. (採録決定).