1998 Fiscal Year Annual Research Report
照明条件の変化にロバストなシーン中の顔画像の探索認識の研究
Project/Area Number |
10680393
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小杉 信 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10267338)
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Keywords | 画像処理 / パターン認識 / 顔画像 / 照明条件 / 方向画像 |
Research Abstract |
当初の計画に基づき、本年度は照明の方向の違いに対する顔画像認識の可能性を検討した。具体的には、以下の通りである。 (1) まず、顔の正面方向にディジタルカメラをおき、照明の方向を変化させつつ顔を撮像し画像データを収集することとした。この操作を効率的かつ高精度で行うため、専用の角度制御形回転台を設計し業者に製造を依頼した。角度制御形回転台は計算機により1度刻みの回転制御を可能とするものである。回転台上にカメラと椅子を設置し、椅子上に人間を座らせ、照明側を固定して撮像することにより、照明方向を変化させた顔画像の収集が可能となる。 (2) 装置導入までの間、方法論に関して基礎検討を行った。照明装 置を手で移動させつつ4人から基礎データを収集し、Fisher判別法により照明方向に依存しない認識の可能性を検討した。この結果、未知の照明方向の顔画像に対し、これが登録した画像の近傍の照明方向であれば正解が得られるが、角度の違いが大きくなると認識は困難であることが判明した。 (3) この原因が顔という複雑な構造に起因するか否かを調べるため、コンピュータグラフィックスで球を作成し、光源方向を変えたときの画像を生成してFisher判別法を適用した。この結果、顔の場合と全く同様の結果が得られ、この手法の適用は問題があることが判明した。 (4) 角度制御形回転台が納入されたので、照明方向を正面から少しづつ変化させ、上下および左右45度までの範囲の顔画像を撮影した。 (5) 左右あるいは上下の照明方向の画像に対し、顔の立体構造を考慮して顔の暗部のみを濃度変換する方法を検討した。各画像から手操作で顔の中心部を切り出し、左右あるいは上下方向の照明によりおきる暗い側の濃度を明るい側の濃度(平均と分散)に修正した。これを正面方向の照明による顔画像との類似度により非修正顔と比較したところ、修正しない場合に比べ認識可能範囲は大幅に向上することが分かった。
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[Publications] 小杉、生松: "非正面方向の照明による顔画像の濃度補正" 1998年電子情報通信学会総合大会論文集. 情報システム2. D12-140 (1998)
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[Publications] 小杉、生松: "Fisher判別分析法による物体の照明依存度の研究" 1998年電子情報通信学会情報システムソサイエティ大会論文集. D12-51 (1998)
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[Publications] 小杉、西山: "複合濃淡モザイクを用いた類似顔画像の検索" 1998年電子情報通信学会情報システムソサイエティ大会論文集. D12-50 (1998)