1999 Fiscal Year Annual Research Report
照明条件の変化にDバストなシーン中の顔画像の探索認識の研究
Project/Area Number |
10680393
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小杉 信 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10267338)
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Keywords | 画像処理 / 顔画像 / パターン認識 / 照明条件 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、照明の方向の違いに対する顔画像認識手法を検討し、以下の成果を得た。 (1)昨年度は、まず、専用の角度制御形回転台を作成し、回転台上にカメラと椅子を設置し照明側を固定して撮像することにより、照明方向を上下左右45°まで、いずれも5°ごとに変化させて顔画像データを収集した。そこで、左右あるいは上下の照明方向の画像に対し、顔の立体構造を考慮して顔の暗部のみを濃度変換することにより、認識可能範囲は大幅に向上することが分かった。 (2)本年度は、顔画像認識にFisher判別分析法を適用した。Fisher判別分析法はクラス内分散を最小クラス間分散を最大とする空間にサンプルを投影するものであるが、判別計算に画素を要素とすると計算負荷は極めて大きくなる。そこで、顔を12×12=144ブロックでモザイク表現し、これをFisher判別分析法に適用した。 (3)全ての方向顔を辞書登録すれば高認識率となるのは当然であることから、まず、上下左右15°おきの顔画像を辞書とし、5°おきの全顔画像を入力した。この結果、被験者5人で平均98.1%の高い認識率を得た。 (4)次に、辞書数の低減をはかるため、上下左右30°の画像を削除したところ63.3%に低下した。そこで、15°と45°から30°の画像データを生成補間したところ77.1%に向上した。 (5)さらに、顔領域として正方形でなく、照明変化に敏感な部分を除去したT型パターン(96ブロック)を用い、かつ上下左右30°については補間することにより、94.6%の認識率を得た。 (6)以上の結果、選定された顔のモザイク表現とFisher判別分析法を組み合わせることにより、照明方向が上下左右45°までの変化に対し、高い認識率をもつ顔認識を可能とした。
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