1998 Fiscal Year Annual Research Report
次の南海地震津波時における四国沿岸域住民の避難および被災軽減対策
Project/Area Number |
10680446
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村上 仁士 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50027257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上月 康則 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60225373)
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Keywords | 津波災害 / 四国の津波 / 津波被害予測 / 津波リスク / 南海地震 / 津波シュミレーション |
Research Abstract |
本研究は、21世紀前半にも起きるといわれる南海道地震津波に対し、四国沿岸域における現況での被害予測を行なうとともに、被害軽減対策を提案することを目的としたものである。とくに、人的被害予測手法を開発し、集落における具体的な避難法を明示して人的被害軽減に寄与しようとするものである。 本年度は、これまで続けてきた四国における歴史津波資料の収集、現地調査を継続して実施した.まづ、M8.4級の地震が各集落にとって最も危険な位置で発生したと仮定して、津波の危険度が高い四国沿岸とくに高知:宿毛市〜徳島:阿南市橘までの沿岸域について各地における陸境界が完全反射とした陸境界での計算波形から計算上の津波高さと既設堤防高、越波開始時間、避難開始時間、避難所要時間、避難完了時間等の要素からなる越波危険度を定義し、各地の避難の難易度を考慮した津波の危険度を求めた。 さらに瀬戸内沿岸を除く豊後水道、紀伊水道を含めた四国沿岸域に対し、M8.4級の地震として1854年の安政南海地震を用い、瀬戸内沿岸域を除く四国の沿岸域の津波の危険度を評価した.ここでは、GIS(地理情報)を用い、四国沿岸域の海岸堤防高の資料や津波の数値シミュレーションの結果を比較し、その差異から沿岸集落の危険度を評価した。さらに、津波到達時間からも危険度の評価を行なった.さらに、徳島県海部郡浅川、同牟岐、高知県土佐市宇佐で実施した津波に対するアンケート調査結果もとりまとめ、防災意識が比較的高いこれらの地域でも避難に対して問題点が多いことを明らかにした。宇佐についてはGISを用いて避難を含めた危険度の考察を行い、人的被害者の推算を行なった。 さらに次年度は、避難行動等について精度をあげた人的被害予測を行なう予定である。
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Research Products
(2 results)