1999 Fiscal Year Annual Research Report
超流動液体ヘリウム中のパルス放電による極低温プラズマの空間分解測定
Project/Area Number |
10680453
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
南 一男 新潟大学, 工学部, 教授 (00023135)
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Keywords | 液体ヘリウム / 極低温プラズマ / イオン超流動 / シュタルク幅 / 分光測定 / 空間分解測定 / パルス放電 / 針電極 |
Research Abstract |
数年来、我々は液体ヘリウムの中で対向針電極間に高電圧パルス放電を行わせ、その後に出来る気泡中の減衰プラズマにおいて、発光スペクトルのシュタルク広がりを測定し、局在するプラズマの密度変化を観測した。発光の中心部では、99%以上の高電離プラズマになっているのに対し、周辺部では、常温では観測されない色々な分子イオンのスペクトル列が観測さた。多様な分子イオン(クラスタ)を作っていることが分かった。この極低温プラズマの空間構造を更に詳しく測定するのが、本研究の目的である。1次元分光測定装置(1024チャネル)を整備して、空間分解測定の目的に合致するように改良した。すなわち、精密な3次元オプティカル・ベンチにより、集光レンズを0.05mm間隔で微動させて、プラズマ密度の空間分解測定を行った。その結果、次のような実験結果を得た。(1)光源が分光器のスリット上に焦点を結ぶようにセットした場合、スペクトルの光量は最大になる。当然のことであるが、光球とスりット間には4枚のデュワ瓶のガラス壁をはじめ色々の光学的物質が介在するため、光球の中心位置は実験的に決定しなければならなかった。これが最も労力を要する作業であった。(2)対向電極を水平に配置し、手前方向をx軸、垂直方向をz軸とする。Y軸方向の密度変化が最も急峻で、0.2mmの変位に対して密度が半減した。Z軸方向は、変位0.5mmに対して約70%減少した。このことから、プラズマの形状は、電極を軸とする偏平な楕円体であると推察される。また、光球は時間と共に膨張し、密度は一様に低下して行く。現在、更に実験データを集積しつつあり、全体像を明らかにしたい。
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