1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10680463
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田辺 秀二 長崎大学, 工学部, 助教授 (50171814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
興津 健二 長崎大学, 工学部, 助手 (60295095)
松本 泰重 長崎大学, 工学部, 教授 (10039787)
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Keywords | プラズマ / スチームリフォーミング / 無声放電 / 水素 / 天然ガス / メタン |
Research Abstract |
本年度の目的は(1)反応効率の検討、(2)反応機構の検討としたが、この目的にたいし、以下のような成果を得た。 (1)反応効率の検討:反応率は印加電圧(電力)に比例し、増加することが昨年度の研究より明らかとなった。本年度は印加電圧以外の電気的パラメータの効果を検討し、水素生成量を検討した。検討したパラメータは波形、周波数であったが、同じ周波数、電圧での波形の変化は、水素生成量にほとんど変化を与えなかった。他方、電圧、波形を一定にした場合の周波数変化は、周波数の増加とともに反応率、水素生成量ともに増加した。他のパラメータを検討した結果、周波数の増加とともに回路中に流れる電流が増加し、結果として、消費電力が増加した。このことから、周波数増加による反応率の増加は消費電力の増加による効果と考えた。前年度の結果では、電圧を増加した場合も、回路中の電流値は増加し、結果として反応率が増加した。以上の結果を総合すると、プラズマ反応の反応率に関与する電気的因子は、回路中に流れる電流値であると考えた。反応率を向上させるためにはこの電流値を増加させる必要がある。そのため、電極の形状を改良し、放電しやすい環境を整える必要があると結論した。 他の反応効率向上のためのアプローチとして、電極表面積を増大させ、その表面を利用した触媒反応の相乗効果を期待した。金属アルミニウムは酸化剤が存在する溶液中で陽極酸化すると、微細で規則的な細孔を形成し、表面積を2〜3桁増大させることができる。この手法を用い、電極の表面処理を行い、プラズマ反応に使用した。その結果、陽極酸化電極の顕著な反応率向上は認められなかった。 (2)反応機構の検討:メタンプラズマ雰囲気を長時間維持すると電極表面に炭素が析出する。この炭素種と水蒸気をプラズマ雰囲気で接触させると、水素と二酸化炭素が生成した。メタンのプラズマスチームリフォーミングの反応生成物は水素と二酸化炭素であり、先の結果から、電極表面の炭素種を経由し、反応が進行すると考えた。
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[Publications] Shuji Tanabe: "Partial Oxidation of Methane with Nitrous Oxide in a Dielectric-Barrier Discharge System"Chemistry Letters. 1999・5. 871-872 (1999)
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[Publications] Shuji Tanabe: "Oligomerization and Carbon Dioxide Reforming of Methane in a Dielectric-barrier Discharge-plasma System"Journal of The Japan Petroleum Institute. 42・5. 383-391 (1999)
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[Publications] Hiroshige Matsumoto: "Profiles of Carbon Dioxide Decomposition in a Dielectric-barrier Discharge-Plasma System"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 72・5. 2567-2571 (1999)
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[Publications] Kenji Okitsu: "Sonochemical Preparation of Size-Controlled Palladium Nanoparticles on Alumina Surface"Chemistry Letters. 1999・2. 271-272 (1999)