1998 Fiscal Year Annual Research Report
無衝突プラズマにおける磁気リコネクションの発生機構
Project/Area Number |
10680468
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
堀内 利得 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 教授 (00229220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高丸 尚教 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (20241234)
渡辺 智彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (30260053)
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Keywords | 無衝突プラズマ / 磁気リコネクション / 異常抵抗 / 粒子運動論効果 / プラズマ不安定性 / 粒子シミュレーション / 外部駆動電場 / 波粒子相互作用 |
Research Abstract |
無衝突プラズマ中で発生する磁気リコネクション(無衝突磁気リコネクション)の物理機構を、3次元電磁粒子シミュレーション手法を用いて解析し、以下の結果を得た。 1) 無衝突磁気リコネクションを引き起こす物理機構として、2種類の物理過程が存在する。1つは、プラズマを構成する荷電粒子のミクロスケールの性質に依拠した粒子運動論効果であり、他の1つは、電流を担う荷電粒子とプラズマ波との相互作用に起因する異常抵抗の効果である。 2) 外部駆動電場が存在する場合、イオンの運動論効果により、外部から与えられて電場が電流層の内部に浸透していく。磁気中性面に到達した時点で磁気リコネクションが駆動される。即ち、駆動電場が存在する場合は、異常抵抗による電場が発生する前に、イオンの運動論効果を通じて、無衝突磁気リコネクションが誘発されている。駆動電場は電流層を圧縮しながら、その内部へ浸透していくため、電流層の厚さも時間とともに減少していく。そのため、電流層で観測されたドリフトキンクモードの成長率が、駆動電場が存在しない場合と比較して、数倍大きくなっている。また、電流層の圧縮過程で、イオンの磁場に垂直な成分の温度が加熱され、非等方なイオン温度分布が形成されていることも判った。 3) 外部駆動電場が存在しない場合、異常抵抗の発生に関するものとして、2種類のプラズマ不安定性が電流層で発生することを明らかにした。1つは電流層の周辺領域に発生する低域混成ドリフト不安定性で、他の1つは磁気中性面近傍で発生する低周波電磁不安定性である。この低周波電磁不安定性はドリフトキンク不安定性とも呼ばれ、イオンラーモア半径程度の狭い領域に流れる電流によって駆動され、平衡電流に沿った方向に空間構造を作り出す。一方、低域混成ドリフト波は磁気中性面近傍の高ベータ領域では減衰するために異常抵抗の原因とは成り得ないことも明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] R.Horiuchi: "Particle Simulation on a Large Spatiotemporal Scale" J.Plasma and Fusion Research. 74・8. 836-843 (1998)
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[Publications] R.Horiuchi: "Kinetic Stabilization of Tilt Disruption in Field-Reversed Configurations" Nuclear Fusion. 39(印刷中). (1999)
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[Publications] R.Horiuchi: "Particle Simulation of Collisionless Reconnection in Three Dimensions" Plasma Physics and Controlled Fusion. 41(印刷中). (1999)
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[Publications] R.Horiuchi: "Collisionless magnetic reconnection in the presence of external driving flow" J.Plasma Phys.61(印刷中). (1999)
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[Publications] T.-H.Watanabe: "Magnetohydrodynamic instabilities in a compact torus formed by the Spheromak merging" Phys.Plasmas. 6・4(印刷中). (1999)